小説 消えた初恋
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小説 消えた初恋

宮田光/アルコ/ひねくれ渡

大事な場面で言葉のミスもありチグハグ

ネタバレ
2023年3月25日
このレビューはネタバレを含みます▼ 原作漫画に今とてもハマっているので、最近2巻目が出たライトノベルも買って読んでみようかと考えていました。
2巻目の立ち読みをしてビックリ。
最初の高2の初詣で2人は既にがっちり手を繋いでいる!

その初詣は付き合って4ヶ月と書いてあったので、原作と付き合い始めた時期は同じですが、原作では想いが青木よりも加速するのは高3に入ってからでしたし、あの初詣よりも後のはずの手繋ぎイベントはかなり重要だと思います。
それは小説版ではクリスマスには済ませてしまったと…

そして2巻目が完結編だそうですが、1巻目の期間は4~5ヶ月となるので、2巻目は卒業までの1年以上も網羅し、時間の流れがちょっと割に合わないように思います。

重要なイベントがかなり変わってしまうと、2人の戸惑いや奥ゆかしさというこの物語の一つの利点が失われてしまうように思います。正直衝撃が強すぎました。

この物語を原作とは全く違うものだと思えた時にしっかり読み返しにきて、レビューを再び書きます。☆の数は期待を込めて仮の4点とします。


追記:1巻目を購入し読了しました。原作のあらゆる要素を集め繋ぎ合わせた印象でした。
その割にはシンデレラの劇で転んだ青木を抱き止める井田のシーンが変えられていたり、クリスマスはケーキ販売を橋下さんと相多に代わってもらう設定になったりと、重要なシーンが改変されているのは違和感が大きかったです。
スキーの修学旅行は概ね原作通りなので、重要なシーンが改変される理由が全く分かりませんでした。

1冊目の最後に井田が青木を好きだと自覚した時に、途中までは良かったのですが、バレー部の友達に交際報告をしたり、青木をからかって反応を面白がったのは、井田が「(青木に好きといわれて)浮かれていたから」「嬉しかったから」と青木に告白していたものの、この小説の井田でも決してそうは読めません。
井田が恋心を自覚出来て、青木に話す重要なシーンで言葉のチョイスを大きく間違っていることが、小説だけにとても残念でした。

井田は恋をした経験がないために、青木への気持ちが恋愛感情だと分かるまで真剣に悩んでいました。
それを浮かれていたと表現するのは違うと思います。

もちろん手繋ぎは恋愛初心者の井田からあっさり行われて、2人の奥ゆかしさなんてものは消しとんでいました。
ドラマから来た方は秀逸な原作のマンガを読むことをお勧めします。
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