野ばらとプリテンダー
」のレビュー

野ばらとプリテンダー

カモバーガー

上巻だけなら星3.5くらい

2023年3月25日
結構深刻な題材を選んでいる割にはふわっとしていると言うか、色々な要素を散りばめた割には設定を活かしきれていない感じがしました。
そもそも受けがいつ攻めをそこまで好きになったのかが疑問です。
序盤から攻めの事を優しいと口にしていますが、正直受けが受け取ったという優しさは契約の上で与えられた物についてであり、優しさとは違うように感じるというか…人間性の優しさを感じるような描写ありましたかね。
これで好きになるなら、愛を題材にしている割にはかなり即物的だなあと感じました。
読み取れてないだけだったら申し訳ありません。
攻め視点では、悪夢に出て来る亡き母が残した恋をしてはいけないという言葉が何度も出て来るので、多分どこかで一山来るんだろうなあと思っていたのに、待っていた一山は来ませんでした。
せっかく上下巻にするならくっつくまでのストーリーをもう少し掘り下げて欲しかったです。
誘拐の件も盛り上がりにかけ、銃まで持ち出した割にはあっさり解決し、その後は父ともふんわり和解で不完全燃焼でした。
他にも継母や最初に出て来た婚約者候補、殿下など、面白そうなキャラクターが出て来た割にはいまいち絡みも少なく、なぜ出したのかと疑問が残りました。
受けの母の訃報もあまりに唐突過ぎて、メッセージ性を持たせるにはあまりに本編への関わりが少なく描写が薄いように感じました。
好みの題材だっただけに残念です。
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