このレビューはネタバレを含みます▼
*私にとって「ずっと読みたいリストの上の方にあるのに、なぜか購読のタイミングがズレて読めずににいる」代表作だった本作、ようやく読めました!
そして案の定、いえ予想を超えて、良かった…めちゃくちゃ良かったです。
死神に転職した元貧乏神。転職のきっかけになったずっと忘れられない男、そして彼を彷彿とさせる不思議な長寿体質の寿限無。彼の長い長い本名を、いったい本人以外の誰が誦じられるのか…覚えたいという強い想いが無ければまず無理(噺家や芸人で修行した者は除くw)。
またしても洗濯物に苦労しそうな死神だけれども、がらんとした部屋に突然運び込まれた派手なソファを見て、きっとまた心のどこかが温かくなったに違いない。
遠い昔、金魚を買って貰った時のように。
もう一篇の短編『小向家の事情』もコンパクトながらにしっかり起承転結があって、台詞で多くは語らず絵とコマと行間で魅せて余韻すら残す、秀良子先生ならではの味わい深さがありました。
大満足です!ありがとうございました。