我が恋はしのぶれど
」のレビュー

我が恋はしのぶれど

五月女えむ

全ての登場人物に魅せられる

ネタバレ
2023年3月31日
このレビューはネタバレを含みます▼ 五月女えむ先生の新刊です。紙版をまだ注文していなかったので、急いで電子を購入しました。モフモフ〜(≧∀≦)きゃわいすぎる〜!

先生の作品は安定感がありますよね!ファンタジーものも人外も魅力的に描き、伏線も全てきれいに回収してくれます。設定や構成が凝っているにも関わらず、読者にはわかりやすく伝えてくれるのでスッとストーリーに入り込める。さすがです!今回は化け狐良夜と龍神黒風のストーリー。

全体的に穏やかで優しい雰囲気ですが、鬼の兄弟幽厳と紅丸が引っ掻き回してくるので、所々で緊張感が走ります。龍神と言えど理由があって力をなくした黒風が、恋をして、強く逞しくかっこよく成長していくのを誇らしく感じますし、良夜との恋が温かくゆっくりと育っていくのもステキ!

この作品の魅力はメインカプだけでなく、登場人物全員が記憶に残るほど印象強く描かれていることでしょう。良夜と黒風を取り巻く全ての者の優しさや思いが溢れていて、切なさや温かさを生み出します。鬼の兄弟にいたっては、ちょっと違う次元で生きているので、そこの補足は短編でされてありますよ!エロくて刺さりましたねー(//∇//)個人的にはカワウソ達の健気さと可愛さに悶えまくりました。1番大好きな動物をこんなにたくさん見られるなんて…感激です泣!

全体を楽しむには非常に良い作品です。次から次へと豪華なものが出てくる玉手箱のような感じなので。ただ、メインカプの繋がりだけでなく、2人の想いをメインに追いたい方には濃さが足らないかもしれません。良夜の、絵師への想いが強すぎて、黒風への恋心を自覚し、膨らんでいく過程がイマイチ見えにくかったように思います。あと、鬼兄弟が何だチミは状態ですし笑、これからもあいつら奇襲を仕掛けてくるんかと思うと……となりました(^_^;)てか、紅丸、良夜の顔が気に入ったからってブチュッとしてますけど、何なら良夜襲ってますけど、あれは良かったんですかね?

先生だからこそ描ける世界観を堪能できる作品です。ただ一つ言うならば良夜と黒風のもっと濃厚なラブ(いろんな意味で)が見たかった!
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