このレビューはネタバレを含みます▼
不動産会社営業の忍×箱入り息子の氷真のお話で、表題作のみ全6話+描き下ろしで合計208ページ。不動産会社勤務の忍は、実は人間とインキュバスのハーフで、住居を探しにやってきた氷真と出会い…というお話。試し読みで絵が好みドンピシャで、続きが気になったので購入しました。普通に面白かったんですが、なんか色々設定が勿体なかったなー。氷真が家を出たい理由、忍のバックグラウンド、なんで氷真だけが忍の催イン香をかぎ取れたのかなどなど、後で伏線回収があるのかと思ったんですが特になくさらーっと流れていくので、いまいちストーリーに深みが出ないんですよね。忍の過去の恋愛トラウマが今の忍を作る大事な基礎の部分なのに、そこもさらっとした描写だけだったのが惜しかった。当時好きだった人に突然去られただけ?結婚を約束していたとか長く付き合っていたとかならまだしも、絵から察するに学生時代の恋愛だったんだと思います。そこまで大きいキッカケにしたいなら、ある程度深堀りしてもらわないと感情移入しにくいし、その場に弟のみかげがいたのもどういった経緯だったのか謎でした。当時のみかげはすごい幼く見えますが、元カレはそのみかげに横恋慕したってこと?その辺りも少し分かりづらかったです。あと、氷真が忍にキスされただけで「両想いですね」の発言にもびっくり。その後も友達に恋人ができたって言ってるけど、あれ?いつ付き合うことになったんでしたっけ?忍の正体がバレた後も特にインキュバスであることに対する戸惑いみたいなのはなく、エッチの後一緒に初詣に。あれ?デートしてる?勝手に距離を置いたと思ったら、えっ結婚?展開に付いていくのが大変だったので、場面の繋がりがもう少し丁寧なら尚良かったかも。絵はとても綺麗で好みだったので★3.5で。