華なるもの
」のレビュー

華なるもの

西つるみ

男色文化が花開いた平安時代のおはなし

2023年4月9日
初読み作者様。あらすじに惹かれて購入。平安時代に生きた高前の半生を描いています。身分の低かった高前は美貌を武器に要人の寵愛を受けることで成り上がっていきますが、当然恨み妬みの対象にもなっていきます。そんな中ある一つの出会いが彼の運命を大きく変えてしまうんですね…スゴく切ないんだけど、彼の頑なさは美しさでもあり。決して目に見えてハピエンだとは言えないのですが、ある意味では幸せも感じていたのではないかと思える描き方が素晴らしかったです。エチは朝チュンタイプ。絵が多少拙い感じはありますがストーリーに集中できたので問題はなかったです。明治になるまでは男色がさほどタブーではなかった日本ですが、平安はまさにその文化が花開いたとも言われている時代。もっとこの時代の作品があれば良いのになぁと思いました。
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