このレビューはネタバレを含みます▼
191ページ。
恩返しに来た自称ディルド、たまに本人が設定を忘れつつも、尽くす心は本物です。変態チックで笑いを誘いながらのコミカル展開ですが、あれよあれよとハートフルに。ハートフルながらも最後までちょっとヤバい部分を無くすことなく完走してくれました。面白かったです。
ディルドの出どころも、純情と執着の紙一重で良かった。
あと、ディルドを持ち帰った理由が「これを保育園の前に置いたままにはできない!」という倫理的な理由というのも好きです。
この作者さんは、表に出ない部分も考えて描いている印象があり、今作は漫画ならではの力技がありつつも、親との関係の影響が与えた性格がキャラクターに見えて、説得力がありました。
細かい所好きに刺さったのは、朝彦のお母さんの「女の子に産んであげられたら」っていう言葉。それを聞いた子供側の悲しみもわかるんですが、それを口にした母親としての気持ちもわかる。そこには子供が将来苦労するであろう心配と確かな子供への愛情があるなって。BLは、親が突然態度を軟化させて違和感を覚えることもありますが、今作のこの一言は、朝彦の寂しさの裏付けになると共に、将来の和解の明るさが見えるのが安心で良かったです。
鈴木側は完全に毒親なので、和解とか考えずにポイ捨てして幸せになってね!