脱がない男
」のレビュー

脱がない男

木原音瀬/志水ゆき

様々な負の感情を煽られて晒される気がする

ネタバレ
2023年4月15日
このレビューはネタバレを含みます▼ 甲斐谷くんが凄かったです…悪い方に。読んでいる途中でイメージが変わるキャラはいますけど、180度悪くなるのは初めてかもしれません。幾つかのレビューに「クズ」という言葉を見かけても「えー可愛くて一生懸命でいいヤツじゃない」と思っていましたが、ある瞬間をもって真逆にシフト。「これは…ないわ。手に負えない」私の感覚では「クズ」なんて生優しい表現では足りないです。あそこまでやってしまったら完全に犯罪ですよ。盗撮に恐喝など明確に悪意を持っての行動であるところが恐ろしい。
その後も出るわ出るわ…最初のイメージが吹き飛ぶほどの豹変ぶりに何度驚かされたことかって感じです。ここぞの場面で「感謝:邪な気持ち=9:1」とか言っていて、そこは「感謝10」というのが正解なのでは?という驚きと呆れがあったり。
このシリーズで初めて木原先生の作品を読みましたが、他者とは一線を画する異色のオーラを感じました。まだこのシリーズ作品はライトな括りだと思うのに、それでも私には精神的になかなかハードな面がありました。羞恥・後悔・辛苦などの負の感情を徹底的に煽られ、晒されるような怖さがあるなと強く思いました。
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