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芦原妃名子

生きることは恐いことかもしれない

2013年1月19日
人は一人では生きていけない、それは聞き慣れた言葉ですが、人と関わるということ、誰かと深く付き合うということは、本当はとても恐いことなんだと、思わされる作品です。他人が自分のことをどう思っているのか、大切な人が自分の知らないところでどんな顔をしているのか、知ることはとても恐いことです。だから、他人と深く付き合うことができない、付き合っているつもりでも本当はできていない、そういう人は多いと思います。この作品は、そういう人間の深淵を描いていると思います。
でも、それだけではなくて。恐くても知りたい。逃げずに受け止めたい。大切な人のことを知りたい。そう思って一歩ずつ前に進んでいく登場人物たちの、強さや成長を感じられる作品です。
彼女たちの歩いていく先を、見届けたいと思います。
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