イキガミとドナー 二人のイキガミ
」のレビュー

イキガミとドナー 二人のイキガミ

山中ヒコ

受け止め方は人それぞれだなと、涙でした😩

ネタバレ
2023年4月16日
このレビューはネタバレを含みます▼ スピンオフ春人編。人の死を本当に実感する、遺された人にとっては様々な辛さなんだろうなと。春人が亡くなったその事を、柴田さんが実感したのはいつだったのかなと。(復讐の後…防衛省を辞めた時…、実感したくて、滝に抱かれたのかもしれない😩)

春人編のイキガミとドナーの関係は、ドナーがパーツとして扱われ、最後は医療機器で生かされる状態になるまで提供は続く。イキガミが死んだ時ドナーは解放されるけれど、その時のドナーは果たして人と言える状態なのか。その辺りの事を若い春人は柴田さんとの幸せな未来と共に、一生懸命考えていたのかな。子どものイキガミを普通に戦闘参加させている世界の残酷な側面を見た春人…あの描写は淡々としていましたが、彼の選択はある意味で若者らしい、柴田さんへの愛に満ちた行動だなと感じました。
そんな彼が遺したタワマンでゴミと共に過ごしながら、柴田さんは何を思っていたんだろう。春人との思い出を反復しながら、何を想っていたんだろと。そんな事ばかりを読みながら思ってしまって、涙でした。

滝編。柴田さんが滝くんだけには連絡先も教えない、その距離の取り方。もう2度目は無いと、耐えられないと、本能的だったのかなと。それなのにグイグイ来る滝くん。柴田さんが精神的に危険な所まで来ていると、恋愛的な行動以上にその辺りにも気付いたのかもしれない。この滝編で1番グッときたのは、柴田さんを殺そうとしたイキガミの言葉でした。増え過ぎたイキガミ。その社会保障は、後方支援のイキガミと前線とでは違う。確かに、ある公務員の生命保険の補償金額を聞いた時、たったそれだけ?死の危険もあるのに?と驚きました。

お盆。滝ではなく春人にもたれ眠る柴田さんに涙でした。最後のこのエピローグの意味を想像したら、好きだと直接伝えれなかった柴田さんの…何か春人への愛の深さと、そんな柴田さんだから好きになった滝の愛し方を見せてもらった様で。これからも変わらず、ずっと柴田さんに寄り添っていく滝を想いました。

追…飛ぶミサイルにイキガミを重ねました。イキガミが戦っている遠い所では、その国の学生が年間数千万の他国の大学に通っている。それが出来ない自国民は平和の為にと、戦うイキガミ達の空の下に居る。柴田さんの様な人生は物語の中だけであります様に
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