クズ野郎とセフレ君【コミックス版】
」のレビュー

クズ野郎とセフレ君【コミックス版】

伝子まねゑ

純愛な話

ネタバレ
2023年4月19日
このレビューはネタバレを含みます▼ 平気で6股しながらも春を抱く宝(たか)×宝が好きすぎて大学内でウリして稼いだ金を宝に貢ぐ春(はじめ)のお話です。

クズが出てくる話大好きですが…これはクズだけど互いの家庭環境故に欠落した感情から来るもので、彼らにとっては「普通」なんですよ。

春が「普段感情に蓋をしてる宝が、唯一俺だけに見せてくれる感情の一つだから、だから宝から殴られても好き…大好き」みたいなこと言っちゃうのも義父の無理な笑顔が所以だし、本来働くべきだったストッパーも無い環境(義父からしてみたら春だけが"家庭の中で唯一の居場所"だったので、本来春がストッパー役なのにこうなっちゃったのは結局"母親にぶっ壊された"からだと思う、何もかも)だったので、先生(ぶっ壊れたストッパー2)によって始まってしまった事でトントン堕ちちゃう。
春は「クズに惚れられやすい」って言うけど、淡々と相手を捌く春から滲み出る「一人だけから愛され抜きたい(哀愁)」をキャッチした「切っ掛けがあれば簡単に常識を捨てられる人」が"春"をトリガーにして可笑しくなっちゃっただけ。だからクズばかりになるのかな…先生は唯一春だけ、教授(ストッパー3)も春の為に金稼ぐって詐欺に手を染めちゃう。でも春には"宝"しか見えてないから"客は客"なんですよ…先生とくっついちゃえば少しは常識に近づけるかもだけど、多分ダメになっちゃう気がするんだ…恋人以外から抱かれてしまう先生に対する強烈なインパクト以上が多分、発生しないから。

宝にしてもそう。頭の回転が昔から良くて、傍で愛情を捧げてくれない両親から"愛"を獲得するために頑張りすぎて壊れちゃった。だけどベースになる「愛に飢えた素の自分」は「確実に敗者」だから見せられないし言語化したくない。でも春は宝の外壁を1枚1枚、薄皮を剥ぐように削っていったけど、春にとっては障害ではなかったハズの"金蔓にもならない他人"の介入によって、最終的に宝の外壁を強制大爆発させちゃったんですよね…

宝と春が晴れて付き合っても宝が女を捨てないのは「最後まで自分が醜くならない為の予備」だし、春はもう、完全なプロのウリみたいになっちゃってるよね…でもいつかは身体にガタがくるから、行く行くは正規法で稼いでね…

んにしても義父…離婚3回目~は確実に春のせいだよな…可愛かったって言うのが、また…

二人だけの世界、とても楽しかったです!次回作、平にお待ちしております!
いいねしたユーザ10人
レビューをシェアしよう!