このレビューはネタバレを含みます▼
232ページ。
かわいらしいファンタジー。ドールハウス作りが趣味の主人公と、瓶から出て来る妖精。ふんわりとした優しさのある二人のお話でした。
……が、すみません、私の興味が別方向に行ってしまいました。
妖精のコウは相当長く存在しているようですが、過去話はあまりありません。そっちが気になる。コウの出自も気になる。むしろコウが主人公の永い時を描いた連作が見たい。
そしてですね、同僚の山内、完全に彼に持ってかれちゃったんですよマイハート。
表紙イラストから見て叶わないとわかってはいても、個人的には主人公とのラブは山内がいい!
中学時代の自分の罪を主人公に被せてしまった棘はじくじく痛んでそうだし、憎まれ口を叩きながらも職場で主人公を助けてるし、「ドロボウハルコちゃん」って言う時にはどんな気持ちで言ってたんだろうと思うと泣ける……自分の方を見て怒ってほしかったんだよね……。山内のやり方には子供っぽさもあったけど、ずっと苦しくて、ずっと罪を償いたくて、ずっと主人公のこと気にしてたんだよね。そこに特別な感情が芽生えてもおかしくないさ!そう、BLの世界ならね!
きちんと同窓会で自分の罪を精算した山内の姿は立派だった。
実際の作品世界ではあまりにも山内が主人公の眼中に無くてかわいそうなくらいなので、私の脳内平行世界では、妖精のアシストで主人公と山内が幸せになるストーリーを作っておきました。