熱情
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熱情

岩本薫/円陣闇丸

意外な人物を起点にシリーズがリンクしてる

ネタバレ
2023年4月20日
このレビューはネタバレを含みます▼ 4冊それぞれ主役カプがちがいますが、織田(兄)を起点として全作品がリンクしている感じです。(1)織田(兄)×松岡北巳の話で、シリーズの元となる芸能事務所を立ち上げて軌道に乗せるまでのお話。年齢が年齢なのもあり、あまりハラハラするような展開はなく落ち着いて読めました。織田(兄)の静かで包容力のある愛が素敵だなと思いました。
(2)松岡悠介(北巳の甥)×大和(悠介の幼馴染み)の話で、少年から青年への過渡期のような爽やかさが良かったです。若いのでキュンや甘酸っぱさが濃厚でした。
(3)織田(弟・ノンキャリ)×上條(警察のキャリア)織田と上條と交互視点で話が進むのが新鮮で面白かったです。2人めの織田が出てきた時点で兄弟だと思いましたが、まさかの4人兄弟の設定には驚きました。見張りの時の恋人設定のシナリオが面白おかしく作り込まれていて大笑いしてしまいました。
(4)水嶋3兄弟の話。表紙とカラーイラストから予想していた展開とラストが全然違っていて、一番驚かされた巻でした。このラスト、予想できた人がいるのかな?いたとしたら尊敬します。
完結とはなっていませんが、20年ほど前の作品なので続編はないのでしょうか。悠介×大和・刑事カプのその後、水嶋兄弟の仕事の行方も気になりますし、大雅については(素人目にも)一冊書けるんじゃないかと思うくらいネタの宝庫だと思うんです。短編でもいいので続きが読みたいです。
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