彼方のアストラ 全巻合本版
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彼方のアストラ 全巻合本版

篠原健太

捻くれ者には眩しすぎる、正しい少年漫画

ネタバレ
2023年4月29日
このレビューはネタバレを含みます▼ 1184ページ。
評判が良い、程度の前知識で読み、読んだ後にSF絡みの論争っぽいのがあるのを知りました。割とSF好きなので、本格SFだと思って読むと「??」ってなるのもわかります。最初の方でなりました。
なのでこれは、あくまで「少年達の冒険」を前向きなトーンで描いた作品で、SF要素は「次々と襲い来る困難」のための装置としての存在だという位置付けで読みました。
……で、捻くれ者なので、この「愛と希望があれば何とかなる」っていうノリについていけませんでした。
自分がとても慎重派なので、キャラクター達の行動に戸惑っちゃったんですね。常に「えっ?なんでその行動?」みたいになってしまうんです。
最もびっくりしたのは、自分達が立ち往生しているのにも関わらずコールドスリープしていた人を躊躇なく起こしたこと。
エンタメとしての作劇の都合が優先されており、世界の構築優先タイプの私とは相性が悪かったです。
それでも、少年漫画として「正しい」作品であり、この長さに色々と盛り込んだ展開は、人気が出るのもわかるな、と思います。
あと、キトリーとザックの関係は最高です。
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