このレビューはネタバレを含みます▼
先輩医師の十字×異常な体になってしまった後輩医師・忠雪のお話で、表題作のみ全６話＋描き下ろしで合計174ページ。突然身体が異常になってしまった忠雪は、ある日衝動に駆られるまま先輩医師の十字さんを吸血してしまう。自分が恐ろしくなって逃げた忠雪を追ってきた十字さんの提案で、定期的な輸血治療と吸血を行なうことになって…というお話。吸血鬼になってしまった経緯とか詳しい背景は敢えて掘り下げすぎず読者に解釈を委ねる余白を残しつつ、二人の心情や関係に重きを置いて丁寧に展開させていくのは良かったと思います。二人の時間の流れの早さが変わってしまう寿命の問題というのは、人外ものの定番ですが、それでもお互い天寿を全うするまで二人が優しく寄り添い合っているのが分かりました。恋人同士の熱い描写とかでは全くないんですが、お互いを思い合っている描写に胸が熱くなります。ということで、これがヒューマンドラマとかBL以外のカテゴリーなら★５つ以上だったんですが、これをはたしてBLと呼んでいいのか…？泣ける感動系のBLとか全く性描写のないプラトニック作品でも、そこに「LOVE」があれば良いんですが、はたしてこの作品はそういったLOVEだったのか？十字さんと忠雪の間には確かに愛はあったんでしょうが、それは本当にそういう愛だったのか？別にプラトニックでも良いんですが、BLカテゴリーにするならもう少し愛情が明確に描写されている方が私は好みだったので、★４つにしました。
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