虫と歌 市川春子作品集
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虫と歌 市川春子作品集

市川春子

出会えたことが幸せだと思える物語でした

2023年5月8日
縦に横に大きいコマいっぱいに風が吹く。人あるいは人ならざる生き物は小さく描かれただコマいっぱいに風が吹く。草がそよぐ、波が立つ、長く伸びる影、そして押し寄せるように饒舌に語られる詩的で哲学的で味のある言葉…まるで、ああ、そうだ、大島弓子の世界を彷彿とさせるのだ。大島弓子よりは硬質で無機質で、でも同じように温かい。やさしい物語を紡ぎだす作家だ。
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