32歳、こじらせ→モテ期!?【単行本版】
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32歳、こじらせ→モテ期!?【単行本版】

梅子

何というか…

ネタバレ
2023年5月11日
このレビューはネタバレを含みます▼ この作者の作品は何冊か持ってますが、良い線行ってるのに、なんで?みたいな展開をぶっこんでくることが多い。これまでの展開や主人公達の背景や会話を全無視するような展開なのが長丁場の作品に多い。中盤に入れてくるケースもあるが今回は終盤。本当に別れたくなければ真剣に結婚のことを考えて彼女を大切にしてる男ならば亜子が本社転勤で同棲解消する時にそのまま手放すみたいに3ヶ月間連絡なしとかしない。悔しかったからとかそんな理由で別れたと思い込ますことはしない。別れを明言してなくても引き止めなかったらそれは別れたと見なし新しい出会いに踏み出すもの。また亜子も32歳で結婚への段階を踏むのが同棲なのはあまり利口とは言えない。同棲というお試し保険をしていたらお金がかかる分、解消も結婚も踏み出せず遠回りになる。同棲も交際も結局必要な対話から逃げていては意味がないし、椎名も亜子に宣言めいた格好良いこと言った直後に嫉妬からの亜子放置なのは嘘つきで、その問題を解決しないままの亜子も椎名もダメだ。と言うか拾わない作者が問題。私なら嘘ついたこのタイミングで椎名と別れて坂口くんを選ぶ。彼女がいることを知らずに関係しても坂口くんは結果的にきちんと清算してから申込みにきてる。決意宣言直後に覆すような行動をして亜子を不安にさせた椎名はやっぱり若いから覚悟がないんだと思わせるから信用出来ない。これは本来は年齢の問題じゃなく人間性の問題。この作者は絵もエロのセンスもストーリーも良いものを描くのに、お若いからか話の盛り上げ方が乱暴で、これまでを台無しにする展開をする。それを良しとしてしまうと、今までの話はなんだったんだ?と読者は違和感を感じる。漫画家として成長する上でこの手法や考え方は改善する必要があると思う。意表を突くというのは、決して人物像や話の整合性や一貫性を無視することではない。せっかく丁寧にキャラを描いているのにぶち壊して勿体ないし何よりキャラに失礼だ。ここを改善しないと成長は厳しい。これからの漫画家としての成長と飛躍を期待する故に良い点も悪い点も書きました。とにかく毎度惜しいんです。TLでもそこを大事に描いてる作品は感動がありますよ。
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