カーストヘヴン
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カーストヘヴン

緒川千世

ハッピーエンドなのか…?

ネタバレ
2023年5月12日
このレビューはネタバレを含みます▼ TL、BL、少女、青年、ラノベなどジャンル問わずなんでも読むので、時間つぶしになる物をと色々なランキングを見ていた所、こちらの作品を発見。
人気作品、完結済み、ハッピーエンドとの事で購入。
世の中世知辛いので、せめて漫画位はハッピーエンドな作品を読みたい。
で、読みました。
冒頭からなかなかえげつないなと、舞台である学校は、ソドムとゴモラの町なのかと。
えげつなくても特に抵抗なく読み終わったのですが、何だかずっとモヤモヤしてます。
10年後の話にモヤモヤが収まりません。
久世あつむは、ハッピーエンドと言えます。
学校で再びカーストが始まり、あつむが今度は教師として関わるかもしれないと言う不穏さが見え隠れしていますが、プライベートでは安泰でしょう。
仙崎巽は、破滅しか見えません。
2人で仄暗い裏社会に沈んでいくか、巽が社会的に死ぬか、仙崎が消えるか…2人で共に堕ちるなら幸せかもしれません。
とりあえず仙崎巽は、メリーバッドエンドに感じました。
刈野梓は、未来が見えない。見えないと言うより無い。
一緒に暮らしている訳でもなく、精神は兎も角、物理では、いつ繋がりが切れるかわからない不安定さ。
苅野が自宅のオートロックを開けなければ、会えない。外では他人と言うか敵のような物。
刈野宅だけで2人が満足していたとしても、お互いがお互いの弱点であり、刈野にとっては梓の存在が政治家として致命傷となり得る。
代々政治家を輩出する家の嫡男である刈野は、どう転んでも家を存続させねばならない。
遠くない未来、結婚して子を成す義務が待っている。
苅野梓の2人がそれでも良いと思ったとしても、刈野の配偶者になる女性には苦しみになる。
刈野母のように嫉妬に狂うかもしれない。
点と点で絡み合っていても、脆く千切れそうな糸のようで、遠く無い未来、完全に別々の人生を歩むようになるのでは無いかと想定されるので、ハッピーエンドなのか…?とモヤモヤしています。
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