月影の御母
」のレビュー

月影の御母

近藤ようこ

「母」はすべてを内包している

2023年5月19日
193ページ。
各話に妖怪の出てくる連作形式で、母恋しで旅する少年の物語。
この「母」の表現が非常に著者らしく、私好み。
「母」は善も悪も等しく区別なく産み出す寛容さと、己の分身に対する視野狭窄を併せもっていると捉えているのですが、こういった「残酷な神」としての母を描けるのはやはり女性作家に多い気がします。
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