その世のどこか、蒼天のゆりかご【ペーパー付】【電子限定ペーパー付】
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その世のどこか、蒼天のゆりかご【ペーパー付】【電子限定ペーパー付】

鯛野ニッケ

あなたは、わたしのすべて

ネタバレ
2023年5月25日
このレビューはネタバレを含みます▼ 正直、一読しただけではわからないところが幾つかあって…リアはなぜそこまで苦しむのか、シンの子供を産んでやれたらの発言の意図とか。そして気づいた。この物語の世界において、同性愛が物凄い禁忌であることを。ゴートさんへの過剰ともいえる暴力が端的に物語っているように。バレたら身の破滅だし、そう教えられてきてるから、真面目な人ほどそれに背くことに強い罪悪感を持つ。BLだとその辺に寛容な作品世界も多くて忘れがちだけど、まあ現実社会でもその辺の抑圧があるわけで。シンの発言も、子供を産める関係→男女の仲みたいなもの→世間的にOK?リアも悩まない?て感じかなぁと思った。
でも、そういう要らん固定観念もシリアスもぶち壊すのはシンの得意技。世界を色々見てきてるから価値観なんて普遍的ではないことをよく知ってる。リアがシンに抱く熱情とは少し違う気がするけど、シンにとってもリアはかけがえのない存在。その人を失わないためなら何だってする。いや、前作の最後からしてふたりは大丈夫ってわかってるんだけど、ほんとよかった(泣)。身体的にはリアシンなんだけど、精神的にはシンリア、どうかリアを生涯守ってやってね、そして黙ってたくさん愛されてね王子、という気もちでいっぱいです。
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