ただいま定修中!
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ただいま定修中!

烏城あきら/文月あつよ

辻本さんもっと出てきてほしい

ネタバレ
2023年5月25日
このレビューはネタバレを含みます▼ シリーズ4作目。今回はなんといっても辻本さん(還暦をすぎたいい男)が大活躍してくれてうれしい一冊だった。この人のしゃべり方(言葉遣い)とかふるまいは、なぜか愛嬌があって憎めない。この辻本さんが弘に手を出すも、残念ながら未遂に終わってしまった。。もちろん未遂に終わってよいのだけれど、私は辻本さんになし崩しにされる弘が見たかったような気がしないでもない。いや、絶対だめだし、今までのストーリーの流れや、弘の性格を考えたら、どんなことがあっても弘が辻本さんに流されてしまうはずはないのだけれど、そんな弘を見たいという気持ちが私の中にある。そしてそのことで苦しむ前原を見たいような。いや、ありえないのだけれども!かなうはずもない私のおかしな妄想が膨らんでしまった一冊となった。今後も辻本さんの活躍を願うばかりだ。
本作で好きだったやり取り:
【その一】弘が前原に対し、自分と前原の立場の違いから、今後も仕事上どうしても君には言えないことが出てくるだろうけれど、それについては許してほしいといい、それを理解する前原。どんなに愛し合っても仕事で馴れ合いたくはないと思う二人。は~~~、いい!!!
【その二】弘が前原に対し、自分と前原が男同士で付き合っていることを、前原のお母さんに申し訳なく思うと言い、それに対し前原は、自分は弘の両親に申し訳なくは思わない、ただ生んでくれてありがとうって思う、と答える。前原かっこいいね!!!

4作目は同僚と恋人の境界線に惑う弘の心の動きがすごくよかった。そうなのよ、あの尊敬し愛する人とともに戦いたいと思うのと同じぐらい強い気持ちで、自分のテリトリーから排斥したくなるあの感情ってなんなんでしょうか。この矛盾、あまりにも共感できて、ほんとたまらない。あと、前原と弘の嫉妬のしあいもすごく楽しかったな、本作もいいシーンがたくさんあって本当に読んでよかった。「君の部屋にも内鍵が必要になるぞ」とかね、あああああああ、弘最高。
(己のテリトリーから激しく相手を排斥、、相反するふたつの感情)(たとえ水と油でも、、、限界まで排斥しながら、それでも水と油はひとつの物質)
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