爛れる匣庭
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爛れる匣庭

天河藍

疑心暗鬼の中進む悠斗…手に汗握る展開

2023年5月27日
5まで読みました。私の記憶が正しければ、4から5まで一年以上間が空いていたと思います。正直「このまま続きは出ないのかも」と半分諦めていたので、本当に嬉しいです。試し読みからとても惹きつけられる作品で、当時は腐落ちして直ぐで「単話と単行本買いとの違いも何も分からず」面白そうな作品を読みまくっていました。今なら損得勘定も働きクーポンやら何やらをフル活用して、本当に「どうしても今すぐ読みたい」作品しか単話買いしていませんが、この作品は今でも躊躇なく単話買いしていたと思います。主人公の悠斗目線で話が進むので悠斗の心情・状況は疑う余地はないのですが、その他の悠斗ファミリー以外のキャラは誰も彼も信用ならなくて、特に寿國の執着が執拗かつ徹底していて、聞こえよがしに言う独り言や纏う雰囲気のストーカーっぽい不気味さにゾクゾクしました。悠斗と読者の感じる疑問点は何一つ解決していないばかりか、更に疑惑は深まって何が何やら…起承転結の結じゃないのは分かるけど、じゃあ今どの辺りに居るのか、山で言ったら何合目まで来たのか全然分からなくて、先の見えないお化け屋敷のようなスリル感があります。疑心暗鬼の中、誰が味方で敵なのか手探りで進む悠斗の行く末がどうなるのか、今後の展開・続きが楽しみでなりません。
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