未知なる者同士、理解し合えて良かった





2023年5月29日
先生の作品は『滅法矢鱈〜』が特に好きで、文字数が多い独特の作風も小説のように深い心理描写が素晴らしいと思います。今回の二人は、お互いにお互いが「未知との遭遇」だったと思います(笑)。方や「何、その趣味?」で、方や「何、この人?」といった感じでお互いに理解し合えない存在だったのではないでしょうか。渋谷のパンツ集めは、性癖ではなくてあくまで趣味って所が重要で、変わってるし大っぴらにする事ではないけど、ギリギリ隠す事でもない気がします。理解に苦しむ言動や行動で距離を縮めてくる本田にしても、確かにセクハラとは思うけど、結局のところ渋谷が受け入れた時点でギリギリセーフな気がします。お互いを知ろうとしなかった(未知の)時は良い印象ではなかったのに、ひょんなことから知って(遭遇して)しまえば興味が湧いて、相手を尊重できるようになり、気付いたら好きになる…『未知との遭遇』というタイトルに二人の心理が端的に表現されていて、素晴らしくセンスのある作品だと思いました。

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ジユンチ さん
(女性/50代) 総レビュー数:834件