このレビューはネタバレを含みます▼
身体や心が疲れている時、欲しくなる滋養強壮剤。
ドリンク剤や漢方薬もいいけど、そんな時欲しくなるのが、ゲイとノンケCPの恋物語という同士、いませんか？
ノンケを相手に、無理かと思いつつ諦めきれずジリジリしているゲイ君の思いが、性的志向の障壁を乗り越えて通じ、お互いに欠けていた部分を埋め合うように相思相愛になるまでの過程を見ているうちに、空虚だった自分の心や身体まで満ち足りた心地になったこと、きっと腐女子あるあるですよね♡
で、部下でゲイの福田と、上司の幸田は、２人で幸福コンビと呼ばれ社内で縁起担ぎに拝まれる存在だったが、ある日幸田が火事で住むところを失い、福田と期間限定で同居することになり…という始まりの本作。
いや、この幸田、ポケベル使ってたというおじさんの自覚ある37歳なんですが、なんかもうBLを読み続けてきた我々が、福田と同じ目線で見ても「クッ、この無自覚な無防備ノンケ、かわいいな…」と思ってしまう、人の良さとニブさが堪りません！
福田にも実は辛い過去が、幸田にも離婚歴もあって人生諦めモードに入ってるという、思わず幸せを祈ってしまう２人なんです。
そこへ乱入してきた福田の元カレ拓海が良いスパイスとなり、モダモダしている２人の距離が縮まり、幸田の福田に対する気持ちが変化していく様が自然で笑いを交えながら感情移入して読めて、満ち足りた気持ちになりました〜！ノンケの幸田の善良さが、終始心地良く、ゲイの福田が自分を卑下したりすることなく、心を通わせあっていく過程に癒されます。
この作品の良さは、ユッキーこと幸田が、偏見も持たず、変にゲイ慣れもしていなくて、久しぶりの恋の訪れに少女マンガを読んでしまうような、自然体という言葉を体現した人物であるところにあると思います。その姿は、日頃見かける仕事上男らしさに縛られている男性と違い、他者を排除せず、対等な関係であることを態度で示してて、福田も女子も楽しそう！エチの方もノンケらしいボケと突っ込みがイイです！
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