後宮を飛び出したとある側室の話
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後宮を飛び出したとある側室の話

はなのみやこ/香坂あきほ

リードは考える葦でした

2023年6月6日
リードが可愛いだけの子なら愛し愛され、嫉妬して苦しんで泣いて我儘いってリケルメを独占したのかもしれない。それこそポンパドール夫人の様な国政にまで手を出してなんて展開もあったかも。でも賢く優しいリードは一人の人として自分の自立を望む。待つだけの愛じゃダメなんだ。リケルメとの再会は切なくて涙なしには読めなかったけど、さすが賢王だけあってリードの望むものが何かを理解し、手放す優しさと愛情を持っていた。まぁ、籠の鳥だけで満足できる訳ないよ。苦労しても人として誇りある人生を送りたいと思うだろう。それを可能にしてくれて愛してくれたのがラウルなんだから二人は結ばれるはずだ。リードの周りには素敵な人がいっぱい登場して3冊楽しめた。
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