わがまま王子とないしょの、
」のレビュー

わがまま王子とないしょの、

文川じみ

DKの成長と褐色王子の凛々しい可愛らしさ

ネタバレ
2023年6月6日
このレビューはネタバレを含みます▼ DKものが非常に上手な作者様の読み応えたっぷりのお話は、DK×アラブ系王子という今までの良さに新たなテイストが加わっています。小山田遥人は放課後、知らない外国人と顔を合わせます。褐色の肌に黒い大きな瞳の彼は、ずっと会いたかったと言ってハルトにキスしてくるのでした。某国の第三王子であるレイは子供の頃にハルトの家で一緒に暮らしていたことがあったのですが、ハルトはあまりにも可愛いレイを女の子だと思い込んでいたのでした。レイはハルトに結婚して欲しいと言い、ハルトの学校に留学生としてやって来ます。学校でもハルトの婚約者と公言し、グイグイくるレイについてゆけないハルトですが、その一途さにレイを拒むことが出来ないのでした。上巻はハルトの家と学校での賑やかなやりとりが描かれ、夏休みのキャンプでクライマックスを迎えます。キャンプの星空の下でのレイのプロポーズから幼い頃の思い出の場所を経て、下巻に移ると舞台がレイの母国になる、この転換が絶妙です。母国では王子という立場もありレイの行動は控えめになりますが、ハルトがぐぐっと成長します。DKものの醍醐味です。レイの国を見下ろす夕焼けの中で今度はハルトがプロポーズ、ハッピーなラストシーンを含めて美しく印象的な場面がドラマティックに挿入されているのも良きでした。
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