獣はかくして交わる
」のレビュー

獣はかくして交わる

沙野風結子/小山田あみ

無性に読み返したくなる桐山がらみのシーン

ネタバレ
2023年6月12日
このレビューはネタバレを含みます▼ 正直ところどころ「え、そこでなんでそうなる?」とつっこみたいところもあったし、ゼロ(攻め)が、なんかあまりにもいつの間にか鹿倉(受け)にのめりこんでいるというかメロメロになっているという感じがして、私としてはちょっとしたおいてけぼり感があるにはあったけど、そんなおいてけぼり感も、いい男たちがくんずほぐれつしだすと(これも割となんか唐突に感じなくもなかった)どうでもよくなるというか、細かいことどうでもいいからこのいい男たちの狂宴を楽しめばいいや的な気持ちになった。そもそも小山田先生の超絶素晴らしすぎる挿絵のおかげで、もう挿絵見た時点でゼロと鹿倉に私がメロメロになっており、ほんと細かいことどうでもよくなって、まじでこの二人かっこいいーーとか思いながらあっという間に読み終わった。鹿倉の、目的のためなら自分の体ぐらい平気で差し出すぜ的な感じも好き。最後までおれはお前が好きだぜとか言い出すようなことにならなかったのもよい。
最初に読んだとき、カメレオン桐山の首吸いつき行為が意味するところがいまいち腑に落ちなくて、でも続編読んだあと本作で桐山が鹿倉と急に距離をつめてきた部分や、そこからつながるゼロのなめなめ行為をもう一度読み返したら、とりあえず桐山はおかしいって思っとけばいいという風になぜか受け止めることができ、そうなると桐山の舐めまわしと鹿倉の嫌悪、そのあとに続くゼロの反応という流れのあたりばかりふと思い出して読み返してしまっている自分がいた。桐山のおかげで、鹿倉とゼロの行為に萌えるのだ。これは桐山に対する萌えなのか、鹿倉とゼロに対する萌えなのかよくわからない。彼ら三人はもはやセット、三人でしてるシーンはないけど。
私にとっては、桐山ありきの作品になってしまった。
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