メロンの味
」のレビュー

メロンの味

絵津鼓

。。。

ネタバレ
2023年6月13日
このレビューはネタバレを含みます▼ 個人的にこの病を持つ身近な人にとてつもないトラウマがあるので、事前情報もレビューも何も見ずに高評価だけで読み始めて木内の告白に手が震えて全身が粟立ちました。フラッシュバックするかと思った。てか、ちょっとした。
私のその人は実際にもう手の届かない場所へ行った人なので読み返すにはちょっと時間や覚悟がいるかも。

作者様の実体験が基になっているようで、どおりで作中の薬や木内の言動全てがリアルでした。薬はかなり強い作用のものもあるので作者様も相当苦しまれたのが伺い知れます。
経験したからこそ描ける内容だと思うし、だからこそ私は抉られたし、私も中城のようにいられたらよかったし、作者様も中城のような人がいてほしかったのかな。
中城も傷つき、もがいて、迷って、決して楽に生きてるわけじゃない。だけどそれでも自分がいるだけで誰かを救える癒せるというのは自分を立たせてくれる大きなことだと思います。
中城のようにあれることは実際にはとても難しい。

ラスト数ページの、中城が「じゃあ次~」というセリフのくだり、私も同じようなことを言いました。もう目を開けないときにでしたけど。パキラも一緒に育てていたけど枯らしてしまったし。
そういうところなんだろうな。自分語りのレビューで本当に申し訳ない。

作者様がその時間を経てこの作品が生まれ、作品がいつまでも残り、時間がたってもこうしてそれを読むことができるというのは感謝と尊敬しかありません。
絵津鼓先生、生きていてくれてありがとう。
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