玉響
」のレビュー

玉響

ゆき林檎

純真成就と言っていいかと

ネタバレ
2023年6月20日
このレビューはネタバレを含みます▼ 大正から昭和、関東大震災を挟んで5年離れ離れになった立花と麻倉。立花を探すために婚約を延期し続けながら諦めない麻倉。やっと見つけたら…泣けてきたねー
子ども時代、髪と目の色が異なる(ミックス)ことでいじめられていた麻倉に優しくしてくれたのは立花だけだった。男性を好きになることが今よりも遥かに禁忌的であった時代。持て余した気持ちを女性に逃げたことでいっとき麻倉を失う立花。高校で再会、また離れ離れ。震災。時代と状況で幾度か離れた2人が、思いを重ねることができたとき、全てを捨て2人で生きていく道を選んだ。
明日死ぬかもしれないなら、後悔せず自分を殺さず生きたい。きっと、いたと思う。この2人のような人たちが。絵が繊細でストーリーを押し上げる。美しい物語。
きっと勘当されたんだろうなとか、それぞれの女性たちはどうなったかなどはないけど、反ってよかったのかもしれない。
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