変な家
」のレビュー

変な家

雨穴(飛鳥新社刊)/綾野暁

冒頭から違和感

ネタバレ
2023年6月21日
このレビューはネタバレを含みます▼ 無料分を読みました。
冒頭、
「これはある家の間取りである あなたはこの家の異常さがわかるだろうか」
…と惹き付けられる始まりですが、いや、遠っ!台所からダイニングのテーブルまで遠っ!個室状態だから料理作ったらいちいち、階段のホールに出て、リビングに入ってと扉2つも隔てた所まで運び、片付けの時もそれを繰り返すのだろうか…台所ではなくトイレが食事場所のすぐそば。謎の空間以前に、ありえないレイアウトが異常な気が(後で登場の専門家からは言及なし)。
しかし夫妻で気に入ったという若い男性が、主人公に間取り図持参で相談に来る、でまた違和感。
間取り図って新築住宅とか中古ならリノベーションとか、「これから住む人」が生活イメージを描くためのものでは??内見しているコマではカーテンもなく、前の住民が既にいない状態のはずなのに、なぜか洋室何畳、等の記載ではなく元住民がどう使っていたか(寝室とか子ども部屋とか)記載。レイアウトの制約上でテーブルや椅子の配置が書かれるならまだわかるけれど、棚とかダブルベッドとか家具まで詳細に書かれ、前住民の私生活が赤裸々に…
特殊な作り方をしてまで隠したいことがあるなら設計時にそんな情報駄々もれの間取り図残さないだろうし、売る時に他者に書かれてしまったものだとしても、その間取り図と実際の家を見ている夫妻が、赤ちゃん産まれる予定を機に家購入を検討しているのに子ども部屋の異常さに気づかないのかなとか、色々と謎以前の前提が気になりすぎました。
いいねしたユーザ41人
レビューをシェアしよう!