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今月(6月1日~6月30日)

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シーモア島
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  • ショーハショーテン!

    浅倉秋成/小畑健

    ストーリー・作画、それぞれさすが
    2025年6月6日
    「笑いを届けたい特別な人」がいる高校生二人が、お笑いの「天頂」をめざす物語。
    お笑いのネタは考えるだけでも大変そうなのに、「あがり症の初舞台であまり台詞言えない」、「急にネタを変えることになって小道具が限られる」「特徴あるコンビがさらにネタ工夫してくる」「ライバルをつぶす作戦」など、ハラハラするストーリーの縛りがかかった上で面白いところがすごい。
    そしてその面白い間や動きや表情が、漫画で見事に表現されているのもすごい。それぞれがさすが!
    理屈は時々挟まれるけれど、お笑いだけに『バクマン。』より振り切り感、疾走感があるかもしれません。
    舞台の時だけではなく、ふだんのやりとりまでコント。思い切り笑いたい!時にオススメです。
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  • ふつうの軽音部

    クワハリ/出内テツオ

    いいぞ、ふつう!
    ネタバレ
    2025年6月6日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 1巻表紙の主人公。ふつうだ。いやフツウじゃない、漫画のフツウなら2巻以降くらいのビジュアルの子が「私って平凡」とか言いながらバンド組んだとたんスゴイ人に才能を見出だされちゃったり、イケメンに気に入られちゃったりするのでは!?
    だけど「はとっち」こと鳩野ちひろは陰キャのギター初心者。最初に組んだバンドもオーディションに落ちて男子メンバーはやる気をなくし、楽器店で出会ったイケメンは「3年間いい感じになることはなかった」(過去形断言)どころか恋愛トラブルメーカーだったり、ボーカルの才能は見出だされたけど相手はなかなかに策士なバンド仲間の厘ちゃんだったり…と、漫画的なフツウをことごとく粉砕する「ふつう」がどんどん面白くなっていきます!
    なにより、最初に彼女が我を忘れて歌う場面、回想からそれまでの鬱屈や思いが爆発していて、「ロックって、こういうものだ!」(やったことないけど)と熱くなる。バンドも様々に人が入れ替わったりライブも順調ではなかったり、でもはとっちの基本面白くて一生懸命なキャラクターもあって、どんなことがあってもどんなに周りが個性的でも「いいじゃん、ふつう!」と明るく読めてしまいます
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  • 君と宇宙を歩くために

    泥ノ田犬彦

    やられた!
    2025年6月4日
    表紙とタイトル、あらすじを見て、あーヤンキー君と純粋君が出会って宇宙飛行士めざそうみたいな?天体や宇宙って青春の夢にうってつけのツールだし?みたいな感じで読み始めたとたん、ガツンとやられました。
    宇宙って、そういう意味か!1巻無料に感謝。
    身内の「普通が難しい」に向き合ってきたので、本人は勿論、見守る家族の気持ちも身につまされます。
    ヤンキー小林君がすごいのは、恥ずかしい、悔しいという気持ちから逃げずに宇野君から学ぼうとしたこと。
    自分のことをバカだと言っているけど自分の出来なさを認めるのは大人だって難しいよ!君はデキる子だよ!と声を大にして言いたくなります。
    しかも、どうすれば伝わるのか、問題を解決できるのか考える労力を惜しまず、ものすごく丁寧に言葉を紡ぐ。それは宇野君のお姉さんやバイト先の上司など、周りの登場人物にも共通していて、それがあるから事態が良い方に進んでいく面もある(幼なじみの朔も、ちゃんと言葉にして伝え合うから単に無理解な登場人物ではなくなっている)。
    普通はそこまで労力をかけて通じあおうとはしないので、小林君が危ないバイトに誘われたように世間から弾かれていく『ケーキの切れない非行少年たち』(宮口幸治/鈴木マサカズ)のような現実も一方にはあるわけで。
    それでもこんなふうに人と人が関わりあえれば、特段ドラマチックではない学校生活や日常の中でも、1巻で星を教えてもらった小林君が空の点が点ではないと知った世界、4巻で組体操に挑戦した宇野君の高い視点から見えた世界、宇宙を一緒に歩く二人の世界がこんなにも広がっていくんだ!と、読む方にも新しい視界を開いてくれる作品です。
  • かくかくしかじか

    東村アキコ

    孝行をしたい時には…のせつなさ
    ネタバレ
    2025年5月26日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 宮崎のおおらかな風土の中で漫画家を夢みていた、かなりイージー思考な女の子と、画家なのにビシバシ竹刀を振り回して暴言を吐く、かなりスパルタな絵画教室の先生との師弟物語。特殊な世界の話のようでいてこんなに心に刺さるのは多分、「孝行をしたい時には親はなし」の先生バージョンだから。
    映画はわかりやすい感動作になっていましたが、原作漫画の方がより、作者自らが「ひどい話」という後悔や懺悔、若い頃の葛藤や自分のことで精いっぱい感、先生の「描くこと」への純粋な思いが細やかに伝わってきます。(恐怖の絵画教室シーンなども、漫画だとギャグ感満載!)
    反発できるのは、先生や親がいつもそこにある「帰る場所」だから。でも若い頃はそのおせっかいやカッコ悪さが恥ずかしくて腹立たしかったり、期待に応えられていない自分が後ろめたかったり。
    帰る場所がずっとあるわけじゃないと気づいた時には、たいていの人は間に合っていなくて、多分これはみんなが繰り返していくことなんだろう。
    今なら先生の気遣いのビール一気飲みできるし、今なら先生を海外に連れていってあげられる。間に合わなかった色々を抱えて、「描くしかない」。
    各章の先生への呼び掛けを、そしてラストの呼び掛けを、しみじみ噛み締めたくなる作品です。
  • まるいち的風景

    柳原望

    便利なだけがロボットじゃない
    2023年7月26日
    昔、コミックスの時に読んでいました。
    丸いフォルムの癒しロボットが現実にたくさん販売されている今の状況をみると、まるいちはその先駆け的な存在だったかもしれない。本来は癒し目的ではなく家事でもなんでもしてくれるけれど、「トレース型」なので持ち主が実際にやってみせて登録しなければいけない。実際に使うにはたぶん不便。でも、この「持ち主をトレース」がポイント。無表情で言葉も発しないまるいちと人が寄りそいあう、とても優しい物語。

    〈追記〉電子書籍を読んでみて。文庫化にあたって追加されたエピソードが1、2巻と盛り沢山で、本来なら嬉しいはずが、少しゴチャゴチャしてしまった印象。この作家さんの少女誌掲載の頃の絵柄と物語が好きだったので、青年誌作品(中学生と成人の恋愛とか)の雰囲気が入ってしまったのは残念。まるいちは昔の素朴な世界そのままにしておいてほしかったな、というのが正直な感想。
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  • たまこ定食 注文のいらないお店

    野崎ふみこ

    疲れたときの癒しに
    2023年7月25日
    タヌキの癒し系漫画を見て思い出したのですが、これもまた、疲れた時や元気が出ない時に読みたくなる作品。それこそ、作中の登場人物たちが「たまこ定食」に集まったり、ふらりと立ち寄るように。珠子さんが手を握って読み取り、その人に合わせて作ってくれるお料理が本当に、お腹と心に染みわたりそう。究極の一品は時々「忘れていたお母さんの味」だったりするのがまた切ない。レシピが載っているから自分用にも作れるけど、やっぱり「誰かが自分のことを思って」作ってくれるのが染みるんだと思う。懐かしい感じのする絵柄もあいまって、ノスタルジーを感じる癒し漫画です。
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  • お前、タヌキにならねーか?

    奈川トモ

    タヌキじゃなきゃ
    2023年7月25日
    なんだか某鬼退治漫画の鬼みたいなこと言ってるな、と無料になっている1巻を何気なく読んだら、ホントにタヌキが人間をスカウトしてた(笑)
    最初は話も絵もよくある感じかな、とサクサク読んでいたけれど、お母さんに抱っこされたい女の子やいじめ・いじめられる女子二人の話辺りから、なるほどこれは化けられ、化けさせられるタヌキじゃなきゃね、と。
    私にも術がかかったか、こがね丸さんがイケメン(イケタヌキ)に見えてきました😄毎回、いったん話が終わって、ちょっぴりつけ加えられる後日譚的なおまけにほっこり。5巻で、登場人物たちのその後がさりげなく見られて嬉しい。
    何も考えたくない!癒されたい!と登場人物たちのような気分の時にピッタリだとは思いますが値段がお高めなので、割引の時に買うかも(今か!)
  • ホームドラマしか知らない

    都戸利津

    丁寧な心理描写
    ネタバレ
    2023年7月21日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 義兄弟が、揺るぎなく大切な「家族」になっていくお話。「子どもらしくできない子ども」と可愛げのなさを自覚する小学生の怜央くんが最初、自分の存在意義を必死に考えているのが切ない。それは誰にも迷惑をかけず自立することだったのが、母の再婚相手の子、透介と暮らすうちに、相手を喜ばせることや、優しさを返すことになっていく。
    可愛いもの大好きでたくさんの人に囲まれて苦労知らずに見えたお兄ちゃんも実は再婚相手の実子ではなく、二人とも、誕生日パーティーとかいわゆる普通の家庭のイベントの経験がない。
    でも幸せはちゃんと、二人の日常の中にある。
    子どもが愛情を知りハッピーエンド、ではなく、成長に伴う「家族の形の変化」とそれを受け入れる過程も丁寧な心理描写と共に描かれていて、そのつど涙が出ます。
    怜央くんが花やキラキラを背負って兄を語る、素直なブラコン中・高生(笑)に育っていったのに対して、「大人らしくできない大人」だった透介は社会でも家でも生き辛くなっていく。その逆転からのラスト。
    タイトルは単なる「家庭のぬくもりを知らない」意味じゃなかったんだな、と心がじんわり温まります。
  • むかしのはなし

    三浦しをん/西田番

    文章と絵の見事な融合
    2023年7月20日
    かなり前に購入しましたが、機会があり最近また読み返しました。短編オムニバスで、それぞれの登場人物が紡ぐ文章や、各話がつながっていく練られた構成がさすがプロ作家による小説。そしてその世界が見事に絵で表現されています。文学的表現だと思っていた冒頭や、一話目の小学生の少年のモノローグが、後になって「そういうことだったんかーい!!」と衝撃的。
    忘れられないインパクトがある作品です。
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  • 星屑家族

    幌山あき

    まっさらな状態で読むことをオススメ
    2023年7月20日
    ネットで途中まで紹介された記事を見て、続きが気になりこちらで購入。
    子育ては、まっさらな子どもによくも悪くも一つひとつ感情の名前を教えていくことなんだなあと実感。
    読む方も、ジブリの新作がとった「ス○ムダンク方式」の如く、できれば予備知識なしのまっさらな状態で読むことをオススメします。それぞれに受けとれるものがあると思います。

    ただ、ヒューマンドラマと思って読んでいたらあっと驚く…という展開は三浦しをんさん原作のコミック「むかしのはなし」(2016年)が衝撃的で絵にも圧倒された体験が既にあったのと、設定がサラリとしすぎて、家庭は家族の健康や経済状態、夫婦の関係や子どもの成長、親になってからの葛藤など変化がつきもので、それが悲劇の引き金になることも多いのに、子どもが生まれた後のチェックやサポートなく「子どもの幸せ」が実現できるのかとか(これから子どもを持ちたい人のみ審査対象だから下巻の話が成り立っている?)…諸々、物語世界の根幹にも関わらず微妙な設定で、メインテーマのためにその辺りは目を瞑って読む感じなので、私の場合は少し浸りきれずこの評価でした。
  • 忘却バッテリー

    みかわ絵子

    非推奨…他人の目があるところで読むのは。
    ネタバレ
    2023年7月1日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 中学野球で既に怪物、相手チームにとって悪夢ですらあった天才バッテリー。でもその智将捕手が高校進学と同時に記憶喪失、野球という枷が外れ、とんだアホの子に!?というギャグ漫画かと思ったら、彼らが入った愛好会レベルの弱小野球部にワケあり実力者が集まって、過去を克服しながら注目チームになっていくアツい展開に。野球、捨てたけど好き。無理無理、ムリリンモンロー言ってても楽しい。
    やっぱり野球に戻ってきてしまった彼らの、王道スポーツ漫画!かと思ったら、だんだん智将・要圭くんが記憶喪失になった理由が明らかになってくる。
    それを知ってしまうと、アホな合言葉ラブ&ピースも尊く聞こえ、「吉祥寺行く?」にすら涙を誘われる始末。
    と思ったらシリアスな人格の話になってきて、さすがに現実離れしすぎじゃ?と引く寸前で、記者相手に怒涛のギャグ全開。迫力あるライバルに紛れて出てくるイロモノの相手チームもキャラ濃すぎ、やっぱり、最後に勝つのはギャグなの!?
    ヤマちゃんこと山田くんの、一巻から徹底して冴え渡るツッコミが最高。一筋縄ではいかない、読む方の顔面が泣いて笑って崩壊しそうな漫画。人目がある所で読むのはオススメできません。
  • この音とまれ!

    アミュー

    箏を知らなくても伝わる音の表現がすごい
    2023年6月24日
    廃部寸前の部を立て直して仲間を増やし、全国一位をめざす!と少年漫画には王道のストーリーですが、部活は箏曲部で、最初に入ってきたのは警察沙汰の事件を起こしたと噂の不良(しかも物理的に、飛び蹴りで)。ワケありの家元のお嬢様や全く音楽を知らないヤンチャ仲間やギャル、彼らに胃を痛めるメガネ部長と、最初はバラバラだった面子がスポーツもののようにどんどん高みをめざしていくのがザ・青春!で涙なしには読めません。
    あらゆる登場人物一人ひとりの背景が時に家族も含めて丁寧に描かれていて、それぞれの傷や鬱屈や後悔が、「つなぐ楽器」、箏を通じて浄化されていく。
    綺麗な絵で、圧巻は「音」の表現。クラシックとかポピュラーなジャンルなら曲名である程度雰囲気がわかるけど、箏の音色って??
    ですが、どんな曲かどんな演奏か、見事に伝わってきます!天才の異次元の演奏から、下手だったり失敗してしまった時の音、練習で合奏がハマった時の爽快感、ライバルの他校が何に重きをおいた演奏をしているのかまで(個人的には7巻、永大附属の超高速・阿吽の呼吸の演奏表現がツボ(笑)。最新刊28巻にも登場してます、ガンバレ✊)
    作者ご自身経験者で、プロの演奏家であるお母様やお姉様が作中のオリジナル曲を現実に作曲、手や柱(じ)の位置まで忠実に描写されていると知って納得です(アニメやCD、公式HPで曲を聴くとさらに感動します)
    恋愛面もキュンキュンするので、ぜひ。
  • 二月の勝者 ー絶対合格の教室ー

    高瀬志帆

    実用書としてもエンタメとしてもよい!
    ネタバレ
    2023年6月24日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 子どもの中学受験の時、何もわからない状態だったのでこの本で様々な情報を得て、受験前の保護者説明会の回はコミックスでは間に合わないので本誌を買ってしまい、リアルタイムで黒木先生にご指導いただいた感じでした。それくらい受験や塾の実情も、親や子どもの心境もリアルで、実用的。
    漫画としても、親子の葛藤や子どもたちの友情、それぞれの性格らしく困難を乗り越えたり乗り越えなかったりのドラマが面白く読みごたえがあります。不登校のまるみちゃんの成長には何度も泣かされました。
    カリスマ黒木先生が、自身の苦い体験をもとに中規模の桜花ゼミナールに移ったり、塾とは違う学びの場を作ったりしているのに、いざ本番を迎えたら受験の悪魔に戻ってしまったのにはエエ!?となりましたが、中学受験の業を感じさせます(笑)
    最新刊(18巻)はまさに佳境、長年見守ってきた子どもたちが笑顔で桜を見られることを願っています。
    この漫画と教育ジャーナリストのおおたとしまささんがコラボした本もあるので、保護者の方にはオススメ。
  • 金田一少年の事件簿と犯人たちの事件簿 一つにまとめちゃいました。

    さとうふみや/天樹征丸/金成陽三郎/船津紳平

    お得!
    2023年6月23日
    打倒、金田一!時々無茶すぎなトリックをも体を張って完遂する(でも結局見破られてしまう)「犯人たちの事件簿」が爆笑の面白さなのですが、もとは別に発行されていて、肝心の本編が、読んでも忘れてしまっていたり、エピソードによっては読んだことがなかったりするのが難点でした。それを解決してくれるお得なセット。倍面白い。
  • 死役所

    あずみきし

    最近はちょっとしんどい
    ネタバレ
    2023年6月22日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 1巻表紙でギョッとしますが、内容はいいです。
    2巻漫画家の「腐ったアヒル」は余韻があり、3巻お笑いコンビの「カニの生き方」は泣き笑いで感動できて特に好き。
    死役所の職員たちの過去(罪)を縦糸、そこを訪れる人たちの人生を横糸に話が編まれていて、職員のハヤシくんが他人の心を理解しようと行動し始めたり、死後の世界ながら前に進んでいく感じがあったのですが、22巻、最新刊(23巻)辺り停滞気味?
    人情家のイシ間さんがいないのも、縦糸が弱くなったように感じる理由かもしれません。
    シ村さんやニシ川さんの過去はもう掘り下げられないのでしょうか。「納得して成仏」する日はくるのかな。進展なく、訪れる人の話が延々と続くのはちょっとしんどい。
    各話の最後に登場する写真が、実際にありそうな感じでリアル。どんな人にもあった幼い頃などの幸せな風景に胸が痛くなります。
  • 嘘解きレトリック

    都戸利津

    何回も読み返してしまう素敵な作品
    2023年6月22日
    大好きで何回も読んでしまいます!

    「嘘」を軸に人の心と向き合うストーリーがしっかりしている上に、生まれついての特殊能力で嘘が聞こえてしまう少女と、優れすぎた観察力で嘘を見抜いてしまう探偵の青年、それぞれ自分の能力ゆえに生き辛かった二人が、協力しながら絆を強め、互いにかけがえのない存在になっていく。
    …と書くとすごい感動ストーリーだけど探偵左右馬先生はいい感じにダメダメだし鹿乃子ちゃんは素直だし、周りの人たちも温かくて、笑えてホッコリします。
    そして絵が秀逸、人物や背景はもちろん陶器や着物の上質なものは美しく、美味しい食べ物は本当に美味しそう(自称町の名物、つくも焼きさえも(笑))。
    その綺麗な絵の中にさらりと、キーになる場面も描かれていて後で納得、ミステリー漫画の醍醐味。いろいろな意味で何回も読み返してしまう作品です。
  • 変な家

    雨穴/綾野暁

    冒頭から違和感
    ネタバレ
    2023年6月21日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 無料分を読みました。
    冒頭、
    「これはある家の間取りである あなたはこの家の異常さがわかるだろうか」
    …と惹き付けられる始まりですが、いや、遠っ!台所からダイニングのテーブルまで遠っ!個室状態だから料理作ったらいちいち、階段のホールに出て、リビングに入ってと扉2つも隔てた所まで運び、片付けの時もそれを繰り返すのだろうか…台所ではなくトイレが食事場所のすぐそば。謎の空間以前に、ありえないレイアウトが異常な気が(後で登場の専門家からは言及なし)。
    しかし夫妻で気に入ったという若い男性が、主人公に間取り図持参で相談に来る、でまた違和感。
    間取り図って新築住宅とか中古ならリノベーションとか、「これから住む人」が生活イメージを描くためのものでは??内見しているコマではカーテンもなく、前の住民が既にいない状態のはずなのに、なぜか洋室何畳、等の記載ではなく元住民がどう使っていたか(寝室とか子ども部屋とか)記載。レイアウトの制約上でテーブルや椅子の配置が書かれるならまだわかるけれど、棚とかダブルベッドとか家具まで詳細に書かれ、前住民の私生活が赤裸々に…
    特殊な作り方をしてまで隠したいことがあるなら設計時にそんな情報駄々もれの間取り図残さないだろうし、売る時に他者に書かれてしまったものだとしても、その間取り図と実際の家を見ている夫妻が、赤ちゃん産まれる予定を機に家購入を検討しているのに子ども部屋の異常さに気づかないのかなとか、色々と謎以前の前提が気になりすぎました。