4月の東京は…
」のレビュー

4月の東京は…

ハル

静かに潜伏し、浮き上がった激愛。

ネタバレ
2023年6月21日
このレビューはネタバレを含みます▼ 一度っきりの人生において出会った愛しき人。
縁だの、運命だの、宿命だのと、色々な言い方あっても出逢ってしまったそこから、カラカラと糸車が廻るように二人の時を紡いでいきます。
中学の、まだ幼くてどこか甘酸っぱい初対面からの性の目覚め。それが、あんな衝撃的な別れへと雪崩込んだ挙げ句の再会。全編を読み終え再読したからこその、蓮のポーカーフェイスが滲みました。あそこまで表情を作り上げた微細な様には、胸がチリチリ痛みました。まずは、ネタバレ無しで1、2刊を読まれて1を再読されれば、この再会が如何に奇跡であったかがわかると思います。さらに、中学から社会人になってもずっと全力で和真を守り続ける蓮。この壮大な愛に応えなければ男じゃないぞの心配は無用。必死に食らいついて行き、そしてとうとう判明した真実に打ちのめされる和真。初めて己の無知さ加減と愚かさと、蓮の深い愛を自覚します。
和真の母親が吐いた、あれほどの愛を私は知らないと。私達読者は、それをしっかりと見させてもらいました。その後の甘々は何でしょう~笑。清々しい明るさに満ちた二人に永遠に幸あれ!
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