このレビューはネタバレを含みます▼
●通常はどこまで立読みできるのでしょうか。「立読み増量中」の際に2話の途中まで読むことができました。1話は少しわちゃわちゃしていますが、2話冒頭は海の幼い頃のとても悲しい健気な姿が描かれていて、それだけで泣いてしまった…。それで購入を決めた次第です。
●人魚の呪いで生まれたときから半身に痣があった海。彫師の直助に拾われ、痣を彫物で覆い、自分も彫師を継いで静かに生きてる。インチキ霊媒師のミカギに出会い、真っ黒な眼も彫りも「綺麗」と言われて…
●海は直助に新しい命と生きる力をもらったんだなぁ…(名前も直助がくれたんですよ。)自分の命を大切に生きてる。そんな海の内面からの美しさに、ミカギは惚れたんだろうなぁと思います。ミカギからも、海は生きる意味と幸せをもらう。
●ミカギの方も、飄々としてるように見えて悲しい過去。背中には母親に「お前は要らない」と彫られた痛々しい傷が…。海は、自分が直助に生かされたように、この傷を塗り替えるためにミカギの背中に彫ります。それは最後に見せてくれるんですけど…美しくて力強い、嬉しくなる絵柄です。
●海と幼い頃から一緒にいる過保護な妖魚たちがまた良いキャラで。おとぼけさんなのに怒らせると誰より怖い錦鯉の錦。口は悪いけど意外と常識人(?)のでめきんクロ。2匹とも海に寄り添ってくれて、背中も押してくれる。なお2匹は魚のくせにお布団で寝ます(笑)かわいい。
●ミカギと海、互いが互いの存在を許して認めて大切にして、幸せに暮らしていくんだろうなぁと思えます。描き下ろしは二人と2匹の幸せなある日。えっちもあるけど、そこに流れるのはエロさより優しさ。良かったです。