バースデー
」のレビュー

バースデー

安西リカ/みずかねりょう

百合原くんの家で昼寝したい

ネタバレ
2023年6月24日
このレビューはネタバレを含みます▼ 初めて読んだ時は攻めがミツキのことばっかりで、透のことちゃんと愛してくれてないような気がして、そこまで好きじゃありませんでした。攻めはとても性格悪いと思います。強引に誘ったカフェで、自分勝手な理由で不機嫌になるし。最初はミツキに似てるから自分のものにしたい、遊んでみたい、くらいにしか考えていなかったと思います。これ読んだ頃の自分はかなり潔癖で、こういう攻めが許せませんでした。それでも、何度か読んでいるうちに受けの家に行くと心安らぐ攻め、受けのために何かしたいと思うようになった攻め、をみているうちに考えが変化していったように思います。わたしは一度下した評価を変えることあまりないので、自分でもこのお話がだんだんと好きになっていったことに驚いています。攻めはとても傷ついていて、ミツキを失ったこと全然立ち直れていませんでした。まずそこからして、わたしは攻めへの理解が足りませんでした。攻めが性格悪くてイヤな奴、という一面があるのは事実だと思いますが、そこまであげつらうほどの悪人でもありません。ただ透をもっと愛してあげてほしい一心で攻め憎しになっていた瞬間もあります。今は、そんな攻めもかわいいな、と思う。多分、その後のお話なんかで2人が2人だけで幸せにやってるシーンなんか少しでもあったら初見でも納得したんでしょうけど。なんならミツキも透の一部なんでしょうから、そんなにそこ執拗にこだわらなくてもいいんでしょうが、わたしはなかなか受け入れられない期間が長かったです。それでも、文句なしに星5だし、やっぱり安西リカ先生の本はすきです。攻めの愛のあり方についてはガチャガチャ言いましたけど、本当にストーリーがスゴイです。普段の先生とは一味違います。受けのぽやーんとしてて、のんびりやな感じとかすきでした。癒しです。そういうところに攻めが惹かれていったのも良いです。
いいねしたユーザ3人
レビューをシェアしよう!