夜明けの声をきいてよ
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夜明けの声をきいてよ

櫻川なろ

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ネタバレ
2023年6月28日
このレビューはネタバレを含みます▼ 高校のとき、友だちの女子から告白され、ゲイであることを伝えたら、腹いせにアウティングされ(この女、ほんと嫌な奴)、親にも認められず「普通でない」を押し付けられた港人は、クローズドを貫く。その後に初めて傷を舐め合うように付き合った相手がメンヘラ(自分の思い通りにいかないことで巻き込むんじゃないよ!)でトラウマを抱えている。シンガーソングライターをめざす春喜とは別れ話のときに偶然出くわしたが、偏見もうがった見方もせず、明るく元気で、春喜の歌に励まされた。春喜から告白され付き合う中、幸せを感じていた。大学4年生、就活やシンガーの道など迷い模索し、不安を抱える中、ちょっとした事件が2人をかき混ぜた。
堂々と付き合えない不満、普通の価値基準にとらわれるなか、2人が見出したのは、ずっと一緒にいるためにできることを探すこと。
港人が望んだように、春喜とは支え合うことができる。2人の未来に明るさが取り戻される。
好きなものは好き。何もおかしなことはないのに。腹が立つのと頑張って欲しいが交差する。自分らしく生きるのはラクではない。覚悟も責任も負うけど、だからこそ自分らしくいられるはず。2人がその後の生活を送っているさまを見てみたい。よい作品でした。
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