ループ10回目の公爵令嬢は王太子に溺愛されています
」のレビュー

ループ10回目の公爵令嬢は王太子に溺愛されています

真崎奈南/茶乃ひなの

溺愛とタイトルにあるのに溺愛じゃない

ネタバレ
2023年7月4日
このレビューはネタバレを含みます▼ 全てにおいて種明かしも答え合わせもなく未回収が問題。まずロザンナが10回も人生ループする理由はおそらくアルベルトと結ばれる為だろうが何故9回目の時にアルベルトはマリンに求婚する前にロザンナの前で思わせぶりに一旦立ち止まったんだ?は謎のまま。父親の仇を取れず済まないと真に思ってるなら両親を亡くしたロザンナに求婚すればいいのに過去のアルベルトは全然誠実じゃないし今も秘密ばかりだ。そして花嫁候補に公平であるべきと言うなら過去マリンばかりとデートしてるのはなんなんだ?宰相しがらみか?とか過去のアルベルトの心情行動も不明。アルベルトがループしてなくても過去の彼は例えばマリンとは円満な関係ではなく真相は冷めた政略結婚とか10回目と過去の心情や行動の違いを明確にして欲しかった。また、ロザンナが5話で長い期間会えてなかったアルベルトの無機質な様子に求婚絶望視する理由も曖昧。なぜ無機質な表情だったのか?そして求婚の際のロザンナ以外を選ぶなんてこれ以上耐えられない!の言葉の意味も不明。教師陣らをマリン父が買収して王様御前でマリンを最優秀生徒との教師総意で妃にと圧力と流れがあったと言うことだろうとは思うけど、アルベルトがそれに苦悩したり突っぱねるシーンもないので読み手が余計な気を回しながら読むのがストレス。何でも説明を求める訳でなくても説得力や読後感をスッキリさせる為にも、必要な説明や描写は大事。それら説明不足が全編に渡るしロザンナ側の視点ばかりの筈がちょいちょい彼もループしてる?と思わせる謎行動や謎言動が未回収なのも不満。ロザンナに助けられた後も彼はそれを隠していた理由も結局不明なまま。種明かしがないのがモヤリます。あと番外編が本編レベルのハードさは全然癒やされない。これでは番外編にならない。本編がハードだからこそ番外編ではやっと結ばれた二人のクスッとするエピソードや珍道中やほんわか結婚5年後とか、そういうのでメリハリがついて面白いのに、ここでも第二妃を提案された時の彼が最初は否定をしなかったことも謎のまま。彼や周囲の行動言動に苦しみ悩むヒロインを見てどこが溺愛なんだ?そんなヒヤヒヤを読んでも面白くない。色んなキャラsideの描写や種明かしがないとスッキリしない。比較的短い作品なのに疲労感がね。整合性が足らない残念な作品。後書きでは作者の自画自賛だったので読者目線が出来ないんだなと思った。
いいねしたユーザ7人
レビューをシェアしよう!