エクストリームウラメシヤ
」のレビュー

エクストリームウラメシヤ

佐岸 左岸

エンドレスに考察してしまう…

ネタバレ
2023年7月8日
このレビューはネタバレを含みます▼ 好きです、こういう構成のお話。私の今の解釈は→

先輩の家に居候していた黒服君が、自分の浮気が原因で先輩と喧嘩して追い出された後、先輩は交通事故で死亡し、黒服君が指輪と花をお供えする。その後、黒服君は風俗の相手に刺し殺される。黒服君は前世が猫で現世は猫又の魂を持った人間に生まれ変わっていた。黒服君は冒頭で浮気相手に言われたことを言いながら先輩に自分の気持ちを話す。黒服君の気持ちが分かって先輩が抱いていたわだかまりも消えて、先輩は涙して三途の川を渡る。ここまでがAで、Bのあの世では、先輩がAで知った黒服君の本当の気持ちをなぞっていると、(猫なのでルール無視で先に来た。苦しいな)黒服君が熱烈に出迎え、また振り回されることわかっている先輩は「くそ」と思うが仲直り。生まれ変わるまで仲良くする(たぶん)。

全然わからないのが何回も出てくる「3」の意味。誰か教えて!

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暗示的な描写が多いですが、私の解釈は
◆黒服君のピアスは丑の刻参りの釘。1人にすごく恨まれていたことを示す(あるいは多くの相手から)
◆ブランコの揺れは、二人の心の揺れ具合。黒服君は止まっているが先輩は揺れている
◆鯨幕は多分初七日。三途の川を渡る日だから。
◆先輩の編むマフラーは、黒服君をつなぎとめておきたいという先輩の執着心。一度は手放した(A)のに戻ってくるし(B)
◆影の有無は、肉体の有無?火葬が終わっている先輩は肉体がなく魂だけ。黒服君はまだ肉体がある(埋められているかも)。そのため満月が隠れると、黒服君は死人らしい見た目になるが、先輩は変わらない。
◆猫の色は、先輩の黒服君への疑念度合い。最初は黒だが最後は白くなって(黒服君の自分に対する愛情を確信して)あの世に向かった。
◆花はマーガレットかノースポールか。マーガレットは、恋占いする感じが先輩の揺れる心に合うし、1本だと「運命の人」など花言葉もいい感じだが、真冬(12月~2月)には咲かない。ノースポールの花言葉は「誠実」で違和感あるけれど、「輪廻転生」の意味もあるそう。やはりマーガレットで、咲かないはずの季節に咲いた=ダメなのに恋してしまった、ということかも。いや、現実ではない花=あの世から黒服君が持ってきた花?ということは、黒服君死亡→寂しくなった黒服君にとりつかれた先輩交通事故死???そのほうが怪談っぽい。あぁエンドレスに考えてしまう…
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