大正浪漫のシンデレラストーリー

設定がしっかりしていて心理描写が丁寧なので、安心して読めました。水と油のような主人公カップルなのに、少しずつお互いのことを知り合って距離が近づいていくのが良いですね。物語の主軸は王道のシンデレラストーリーなので人気が出るのも納得です。ただ、特殊能力が出てきますが、１巻を読む感じでは主人公も周囲でもその能力を使っているシーンが無いので、結婚の話が中心ならわざわざその設定を出してファンタジーにする必要はあったのかと疑問に思いました。大正時代の普通の結婚話ではダメだったんでしょうか。冒頭から家族に虐げられて被害者意識たっぷりな主人公なのですが、先の巻を試し読みしたところ、これから先もずっと同じテンションのようなので、読みすすめることを考えると気が重いです(苦笑)。絵はとても綺麗で、特にカラーイラストの色遣いが素敵だと思いました。