物言わずとも愛語る
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物言わずとも愛語る

伊達きよ/北沢きょう

都合主義にせず要点を死守したのが効いてる

ネタバレ
2023年7月13日
このレビューはネタバレを含みます▼ 異世界もので、転生ではなくて入れ替わりの設定です。主人公のりおからしたら、見た目だけそっくりな異世界の王子に無断で、かつ強制的に入れ替えられてしまうので、突然の異世界では言葉が通じない→喋らない→物言わず…となるわけですね。始めの方は、特有のライト感とありがちな設定に勝手にパターン化して「ありきたりな王道コース」と決めてかかっていました。まぁラストは王道かもしれませんが、「ありきたり」ではなかったです。他の方も仰っていますが、「異世界の言葉が喋れるように…は、ならない」のがミソだと思います。この1点を死守する事は大きくて、ご都合主義な展開に引いてしまう事がなかったですし、タイトルが効いてくるのだと思います。温かい気持ちになる素敵なお話でした。
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