その世のどこか、蒼天のゆりかご【ペーパー付】【電子限定ペーパー付】
鯛野ニッケ
このレビューはネタバレを含みます▼
「その世のどこか」シリーズ、3作目!
このシリーズの大ファンです。
私にとって、「電子書籍で読んだのに紙でも買っちゃった」数少ない作品の1つです。
シリーズの前2作
「その世のどこか、地図にない国」
「その世のどこか、常夜の楽園」 を、
どうか読んでから こちらをお読み頂きたい。
シンという人のキャラクターとリアンドロスとの関係性を熟知した上で読むと、感動が50倍になります!!😩
前2作では、主人公のシンがとても魅力的で生き生きと描かれているけれど、物語の主軸となっているのはどちらも別のカップルです。
そして、明らかにシンと深い絆で結ばれていそうな リアンドロスの存在が、ずっと気になっておりました。
そしたら!
来ました来ましたよ~~!!とうとう!!
3作目ではシンとリアンドロスのお話です!!!
お待ち申し上げておりました…!
とても常識的で冷静な思考判断が出来て、でも常に前向きで、行動力もあって人懐こい、愛すべきキャラクターのシン。
でもやはり、王子という出自によって育まれた、若干の傲慢さと我儘と鈍感さ。
今回はそれがリアンドロスとの関係に波乱を呼ぶ原因になった。
リアンドロスの深い葛藤と苦悩を知って、これまで「ピュアな愛情ゆえに献身的に仕えているのよね🖤」などと思っていた私は、衝撃を受けました。
こんなにも複雑で深い想いを、美しく描いて しかもコミックス1冊にスッキリとまとめ上げるニッケ先生が凄すぎます。
前2作でも同様に「よくぞここまで壮大なお話を1冊で!」と感服しましたが、今回もそうでした。(サディンの妖しさの回収と湿疹の顛末が、一瞬で巻き取られた感がありましたが、やむにやまれぬ大人のご事情があったのでしょう…)
「地図にない国」のカップル ムスティア&ノネが大好きなので、この2人がちょいちょい出て来てくれるのも嬉しいです!
シンとすごく良い友人関係を築いていて、とっても微笑ましい。
この世界のキモである2人が決着したということは、もうシリーズは完結してしまうのかしら…。
それはそれで気持ちいい形ではありますが、個人的にはもっとシンの冒険を見たいです! 気が向いたら続編を是非お願いしたいです…!
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