東京-臨界点-
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東京-臨界点-

ハル

ただ一人をひたすらに求め続けた天才サイコ

ネタバレ
2023年7月17日
このレビューはネタバレを含みます▼ 『4月の東京は…』のスピンオフ『東京-四季-』秋冬編登場の蓮の兄•早乙女恭平と神宮寺結人のお話。今作は一度見たものは忘れない天才•神宮寺の幼少期からスタートします。次々と男を変える母親と二人の生活がネグレクト、同居男性からの暴力と辿る中、ひたすら図書館に通い続けた神宮寺は母親の死と同居男性の傷害事件を経て保護されます。全額給付の奨学金と充実した図書館が魅力で入った高校で神宮寺は早乙女恭平と出逢い一目で惹かれるのでした。神宮寺は清廉で隙のない恭平に近づく機会が無かったのですが、二人が高3の時に恭平の弟•蓮が和真と事件を起こし、恭平は受験に失敗します。そこから『東京-四季-』で描かれた内容となります。現役で医大に入学した神宮寺によるセ◯クスと引き換えの家庭教師により恭平は無事医大にトップ合格を果たします。入学後は警視総監の息子•雉真佳月を交えながら恭平は引き続き強烈な個性の神宮寺に翻弄されるのでした。幼少期の不幸も何ら歯牙にかけること無く悠々と行動する神宮寺と、その天才っぷりに敗北感と羨望を認めざるを得ない恭平、二人のストレスとエネルギーとかギリギリと臨界点に達しついに恭平は変化を遂げます。恭平が蓮を大切に思っていたこと、描きおろしのラストにほっとしました。早乙女兄弟に幸あれ。
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