君にもわかるISO
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君にもわかるISO

烏城あきら/文月あつよ

私は弘と前原に感動するんです!

ネタバレ
2023年7月22日
このレビューはネタバレを含みます▼ シリーズ5作目。今回もよかったよー、おもしろかったよー、あっという間に読んでしまったよー。読めば読むほど弘や前原はもちろん、他の登場人物たちへの愛着も深まり、彼らに会えることが喜びになってくる。
本作のポイントはISO取得に向けた喜美津化学の奮闘と、中尾のオッサン(この言い方が前原らしいではないか!)もとい、前原の父の登場。

ISOの話なんて、リアルで関わってると大事なのはわかるけど面倒で退屈だ、というのが私の本音なのだが、許可証シリーズで弘と前原が奮闘してるのを見るとISOってこんなんにおもしろい題材だったか?と思えてくるのだから烏城先生やっぱりすごい。弘と前原が仕事のことで言い争ってるのを読むのもなんか楽しいんだけどなんでだろう。二人とも真剣で誠実で、そこには馴れ合いなんてなくて、だからこそぶつかって、そういうまっすぐさみたいなものがさわやかなんだよ。うっとり。弘と前原が、お互いに相手が勝ったと思ってるのもいい。悔しいっていいながら、相手を認めてるんだよ、私は二人の関係に感動しますよ!

弘が前原と仕事のことで口論になって、仕事が終わったあと、前原に会いたいと思っているけれど会いに行くのをためらい、前原が帰ってきた気配、物音だけを確かめようってするとこいいよなー。そんでもってその後、前原の方が弘の部屋のドアの前まで来て鍵穴に鍵さしてそれ以上入ってこないとこ、すごく好き。ほんとは会いたいけどどうしても会えないってとき、その人の気配だけでも感じたいって、なる。今回はこの鍵穴もいいポイントだった。

弘と前原父との対決もなんかよかったし。この人とともに生きていきたいと、こんなにもはっきり確信をもてるというのはなんとも羨ましい。

エロは相変わらず前原のちょっと強引な感じがよかったし、弘もどんどんそっち方面成長してて、ときに前原のほうが翻弄されてるのもよかった。

ISOのことはまだまだ始まったばかり、本作ではまだ導入部分で終わってしまったので、今後の喜美津化学の奮闘も楽しみ。
そして前原と弘の関係を、前原のお母さんや、弘の両親に今後どう話すことになるんだろうかと、これから起こりそうなことまで想像して期待が膨らむ5作目だった。

1作進むごとに、弘と前原の関係が、仕事においてもプライベートにおいてもどんどん発展していって、それを読んでるのがとても楽しい。
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