あの頃と今、君がこぼれる
」のレビュー

あの頃と今、君がこぼれる

きなこ

物語の複雑さが掲載誌に合ってなかったかも

2023年7月24日
237ページ。
表題作4話+読切1作+表題作の描き下ろし。
タイムスリップもの。同一人物が同一時間で顔突き合わせて存在してるって珍しいな、と読んでみました。
物語は色々頑張ってるし、過去と現在の亜希のやり取りとか、良かったです。その中で、なんだか「どうしてそこでエロに行く?」ってなる感じがあって不思議だったんですが、奥付を見て半分納得。GUSHの、シチュエーション縛り誌での掲載だったんですね。あの場で描くには難しい題材だったと思います。1話1エロ(しかもシチュエーション指定あり)の制約無しに、過去話や親の話、タイムスリップの理由などにページを割いて全体構成を練れたら、もっとまとまりある感動作になったかも……と思ってちょっと惜しい。
特に、二人の関係のはじまりが終盤で後付けっぽく感じる描かれ方になっているのが消化不良。説明不足もあるのか、齟齬があるようにも感じました。
同録『今宵、ふたりの牧場へ』は、牛コスプレで変態チックな、軽いエロ話。
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