このレビューはネタバレを含みます▼
237ページ。
キャラクターの人格をそれぞれきちんと描こうとしているのを感じて好感が持てます。その姿勢が、多重人格の描写がしっかりしているのに繋がっている気がします。丁寧に作られていて良かった。
主人公のワイン馬鹿設定が重めの物語に笑いを挟んでいて楽しかったです。けど、その設定は削ってその分のページを別の部分に割いて欲しかった気もします。
ドラマ性に関しては、少々主人公が受け身のままで進んでしまった感があり、盛り上がりに欠けた気がします。過去の話が淡々と語られるだけだったのはもったいない。現実では待つのも大事ではありますが、海里の過去を主人公自ら掴みに行く勢いとか伯父との対決とかがあったら、フィクションとしての爽快感があったかな。