餓えた犬は肉しか信じない【電子限定描き下ろし付き】
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餓えた犬は肉しか信じない【電子限定描き下ろし付き】

暮田マキネ

かつえた部分を満たされて幸せになる人々

ネタバレ
2023年7月26日
このレビューはネタバレを含みます▼ チェーホフの名言を冠したこの作品は、3CPを「こども食堂」を軸にしたオムニバス形式で語られています。一冊で3つの恋愛譚なので少々慌ただしい気もしますが、いずれも優しい感情に包まれる癒しと気付きの物語でした。(思わずホロリと泣けてしまった…)
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「餓えた犬は肉しか信じない」とは、逆に言えば「衣食足りて即ち栄辱を知る」かな?
文字通りの空腹だけではなく、満たされないこと、足りない余裕、そして求め続けていたたったひとつのこと等々。。。
かつえていた部分が他者の助けを借りて満たされる。自らが足りればまた他者に心をかけることができる。お互いが助け助けられ社会は成り立ち幸せが増えていく。それを『福祉』としても解りやすい言葉で表されていました。(こども食堂然りNPO団体然り、シェルター然り)
自分の努力だけで恋が成就するお話も良いですが、他者との関わりの中で幸せになっていくお話は感動が伸びやかに広がりますね。周りの皆も幸せなのが良いです。
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修正は見えない構図。私的ベスト萌えセリフは、「早くしねぇと 乾いちゃうだろ?」でした。
そしてとても重要な役どころだった楽くん、彼はきっと右側だと思うんですよね(希望笑)。
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