新装版 うさぎドロップ
」のレビュー

新装版 うさぎドロップ

宇仁田ゆみ

紫の上もびっくりだよ…

ネタバレ
2023年7月27日
このレビューはネタバレを含みます▼ 昔読んだ時には大吉、漢だな!とグイグイ引き込まれ、でもラストで駄目だな!とがっくりしたんですが時間を置いて最近読み直したら更に駄目だな…と思ってしまいました。
ダイキチどころかダイナシだよ…
すごい商業メディアミックスされた作品らしいのですが、私は漫画でしか知りません。
すっきりした見やすい絵柄で紡がれる無骨な独身男性と彼の叔母に当たる幼女の物語は衝撃的に幕を開けて進んでいきますが作者の先生は初めからこのラストを見据えていたんでしょうかね。
子供時代で終わらせて、大吉に
「りんが嫁に行く時には俺泣いちゃうんだろうなー」
とか言わせて最終回なのかと思っていました。
お前が嫁に貰ってどうすんだよ…
6歳から育てた子供を女として見る事ができるなんて現代版ブサイク系光源氏かよ…
がむしゃらで一本気であんなに魅力的だった大吉が一気にキモい中年に成り下がる!
私個人ならどっちの立場でも無理です。
育ててくれた養親に恋心を抱くのも、自分が育てた異性と男女の仲になるのも。

望まれて引き延ばした物語なんですかね…
別にリアリティを求めてる訳ではなくても、りんちゃんの気持ちの謎とそれに簡単に応える大吉にはこれまでの年月を無にする威力があります。
ただ、無理すぎ妖精のような浮世離れした正子さんの人物造形は嫌われ役にしろ凄いと思いました。

りんちゃんの実の父親は掘り下げずに読者の想像に任せるとしても、そもそも何故正子さんがお手伝いさんに来ていたのかとかも丸投げだし
うちの新妻はおばあちゃんみたいと大吉に言われる料理も今までずっと一緒に住んで、ごはん作って貰っているんだから今初めて知った事でもないですよね?
あー、全体的にがっかりです。
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