棘の王様
」のレビュー

棘の王様

小石川あお

前半と後半

ネタバレ
2023年8月2日
このレビューはネタバレを含みます▼ のギャップよ!魔性の女ならぬ、魔性の少年絢。愛されたくて、振り向かせたくて、留まらせたくて。恋多き、美しい母は自分の元には居てくれない。母性を求めて女性を渡り歩いても、心から満たされない。美しすぎる男性に本気になってくれないから。ゲームを仕掛け大事にしてくれた義父が亡くなり、母が居なくなった。母親探しに乗じて現れた男性黒田。無邪気に振る舞い自分に関心を寄せて欲しいが、今までの母親の彼氏たちとは違うよう。初めて性的に欲しがった相手。事件?が解決に向かい、事の真相が明らかになったとき、また自分の元から去ってしまうのか。美貌に天然、少しの策略。自分だけの人になってくれることを求めて、黒田のかけひきと絢の思いが重なった。のめり込むつもりがなかった黒田の誤算であり、願いでもある思いと絢の望みが嵌る。
年を重ねていく2人のその後までが描かれて、前半のハラハラ感が後半は無くなり微笑ましい。友人の秋のこともきっちり描かれていて、完成されていて納得できるし、皆が年を重ねて変化する容姿もいい。
それにしても、先代からのお手伝いさん、よく解っていたな(笑)
ミステリー要素のロマンス、面白かったです。
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