君の初恋が終わる
」のレビュー

君の初恋が終わる

幸田みう

心を震わされて泣けました

ネタバレ
2023年8月4日
このレビューはネタバレを含みます▼ このタイトルで幸田先生!ぜったい切ないキュンがいっぱい詰まっているに違いないと、電子配信を心待ちにしておりました。
ネタバレしますので本編未読の方はご注意です。→→→


終わらなかった!!君の初恋は終わらなかったよう〜!それが嬉しくて、さめざめと泣けてきます。
………
正直BLではよく見るシチュエーションです。
展開も、セリフも、いつかどこかで見た覚えがあります。
しかし見慣れたはずのセリフの一つ一つが、とても胸に沁み渡りました。
1話2話で、高校生の黒沢が先生である吉岡に対する恋心を育てていく様子が描かれています。
ゆっくりとポイントを押さえつつ、細やかに心情を伝えてくれます。
ああ初恋ってこうだったな、胸が締め付けられて苦しかったな。あまりにも恋心が自分の全体を占めて、溢れて、気持ちをコントロールする術も持ち合わせておらず、無力で惨めで、でもとても幸せだった…
昔過ぎて忘れていたリアルな感情が、黒沢を通じて一気に蘇りました。マンガでも小説でも音楽でも絵画でも、こういうチカラを持っている作品に出会えるとしみじみと良かった〜(泣)…と思えます。

さて、3話では吉岡先生の気持ちが語られています。
先生だけれど一人の人間で。ただの男だけれど先生をしていなくちゃいけなくて。
4話冒頭の「それで」「間違えた」が、すっごくキました!
3話ラストの「このラインは 超えたらいけない」で、もう黒沢に落ちていることを踏まえたからこそ、効きました。
ここまで黒沢の切ない初恋だけではなく、吉岡のやるせない停滞も描かれていましたが、だからこそ4話で大人と子どもとの心情的な立場の逆転が生きている!すごく感動する!泣ける!って思いました。
((4話で先生が「一時的な気の迷いだから」という言い尽くされたセリフを吐くのですが、この時の吉岡にはそう言うしかなかったと思うと、痛くて辛くて悲しくてガン泣きしてしまいました。))
そして黒沢くんがいい子で純粋で健気で(…さめざめ…)4話ラストコマでまたひとしきり泣いてしまいました。
………
そしてそして、ありましたね、同窓会。卒業後すぐではなく、何十年後とかでもない、ベストなタイミングで。幹事GJ過ぎw。
あとは幸せへ一直線ですね。
***
局部はアウトラインにトーン白短冊1本。
描き下ろしでは、やっぱりあの小説は…(ニヤリ)
いいねしたユーザ23人
レビューをシェアしよう!