ダイヤモンドの功罪
」のレビュー

ダイヤモンドの功罪

平井大橋

「神作」に沸いた。

ネタバレ
2023年8月5日
このレビューはネタバレを含みます▼ 主人公は競争を好まない性分なのに恵まれた天才くん。本や動画で予習しただけの投球を、初回でいきなり成功させちゃう。“ 理論として理解した事をそのまま思い通り身体に伝えられる ” のが凄いです。フィジカルにも恵まれている。
大人達はそんな非凡の才に魅入られ凡人達は心を折られ…。光が強過ぎると色濃く浮き彫りになる影たち。実力差がエグすぎて周囲に摩擦が起こり、わざと手を抜いちゃう無自覚天才くん。楽しく野球したいだけなのに叶わない持つ者ならではの孤独な悩みを描いてます。(いや性格的にも摩擦を生んでると後から気付く。)
そして大人のエゴと囲い込みがそれはもう、子供達には可哀想だがリアルです。普通こうなるよね。でもその影響力は甚大で、子供を歪めているんだなぁと読んでて辛い。
絵は拙く感じるんだけど、時々ゾクっとする演出効果が効いていて惹き込まれました。思春期少年の未成熟な柔らかい感情の機微も上手い。
クーポン用漁ってたら神作に出会え感謝です。。1巻読んで興奮してレビュあげ。
彼には「野球だったんだな」って、セリフがすんごく刺さりました。
追記。円くんが男前すぎ人間出来すぎてて救われる。時々泣ける。こちらの清涼剤。雛ちゃんの活きの良い賑やかしと真っ当に怒れるキャラは推せる。主人公の存在がホラーに思えてきた所です。功罪とはよく言ったもんだ。
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