運命だけどあいいれない【単行本版】
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運命だけどあいいれない【単行本版】

永条エイ

リーマンBLの旨味がたっぷり…!*祝2巻

ネタバレ
2023年8月7日
このレビューはネタバレを含みます▼ 何故、自分はリーマンBLに萌えてしまうのか?
やっぱり、シゴデキ(=仕事のできる)リーマンの、スーツ姿で隙なく、そつなく過ごしている日中の仕事ぶりと、プライベートで見せる隙だらけ、あるいは、隠していた牙をむき出しにして衝動に駆られて雄味を発揮する姿のギャップにあるのではないか?
と、ボンヤリ考えていた自分に、ハッキリとその理由を教えてくれた本作。

営業マンとして転勤してきた千堂を、ライバル視するノンケの和泉(いずみ)が、ゲイ向けマッチングアプリのサクラを引き受け、話の合うKと待合せしたら、Kが隠れゲイの千堂だった…そんな出会いがもたらす、千堂がゲイだと知ってしまった和泉と、和泉をゲイだと思いこんだ千堂の解釈違い。
これが、自分が一方的にライバルである千堂の弱みを知ってしまったと思い罪悪感を抱きながらも、強気っこなため、千堂の誤解を解くこともできずに、ゲイの振りをしつつ、無自覚に千堂を煽ってしまう和泉と、和泉がゲイだと思って、ほかの同僚には見せない表情をしたり、和泉の態度をGOサインだと受け止めて雄味を発揮する千堂の、身体も心も相性バッチリ!であることを早々にノンケの和泉に知らしめるのです。あぁ、なんて美味しい設定なのでしょうか?ウマい。余りにもウマいのです!
なのに、今度は、次第に心も千堂に傾いていることを自覚し始めた和泉が取ってしまう、つよがり。これも、普段コミュ力最強な和泉が、意識すればするほど、千堂にだけは素直になれないっていうね。大人なのに、本気の相手には、素直になれないピュアッ子振りが、モダモダを生むんです。あー、両片思い好きには堪らない構図です!!
そのすれ違いが、実は恋愛初心者である千堂に、自分にとって和泉がどのような存在なのかをじっくり考察する時間を与え、最後、思いが通じ合ってからの、燃え上がりをもたらすんですね…
顔面最強な2人がくんず解れずもつれ合う姿に、血湧き肉躍るこの感覚…もう最高ですッT^T…!!

一見隙のなさそうな、千堂画伯の画力というおかしみ、くっついた後、和泉を溺愛する千堂と、素直になれない和泉の可愛さなど、描き下ろしページを含めて日中とプライベートでの2人のギャップを堪能。最後の最後まで、心の満足度が上昇しっぱなしでした…!!!ありがとう永条先生!
*2巻千堂が和泉の棘を溶かし、和泉が抱えていたコンプレックスも溶けて唯一無二の存在になる展開。最高です!
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